窯業から見つかる土壌汚染~ガラス製造で注意が必要な土壌汚染調査

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2023年

窯業からも見つかる土壌汚染~ガラス製造業で注意が必要な土壌汚染調査~


東京でもよく見ることのできる町工場。みなさんの街にもあるのではないでしょうか。今回はその町工場の中でも窯業と呼ばれる業種についてお話いたします。

窯業とはガラスやレンガなど土器の焼き物やセラミック等の製造を行っている業種です。高温で熱する工程があるので、窯業(ようぎょう)といわれています。ではガラスやレンガに土壌汚染を引き起こすような汚染物質が含まれているのかということになりますが、主に見つかりやすい汚染物質としては重金属類です。

そのなかでも六価クロムによる汚染が多い傾向にあります。窯業の原料にクロム酸が使用されている場合、六価クロムによる汚染が見つかります。そのほかには、ふっ素などが見られやすい傾向にあります。ホウ素による汚染も見つかりやすいのですが、ホウ素については取り扱いの有無で大きく変わります。

ガラス製品の中でもホウケイ酸ガラスを製造している場所はホウ素を使用しているので、土壌汚染に関しては注意が必要です。ホウケイ酸ガラスは実験用のガラス器具なんかによく使われている素材で、熱に強く、熱による膨張も少ないガラスといわれています。実験を行う際には必要不可欠ですね。

またガラス製品の中でも工芸品などを取り扱っている場所では、セレンによる土壌汚染が見つかることがあります。セレンは硝子繊維の着色材や色を落とすための材料に含まれています。

六価クロムは非常に強い酸化力を持つため、粉末を吸引したり六価クロムに汚染された地下水を摂取してしまうことで、発がん性を伴うことがあります。長期間摂取し続けることで、肝臓障害、大腸がん等にもなるようです。

ホウ素は基本的には人体には無害な体系で存在しており、食塩と同等程度に、摂取し続けることで健康被害を起こしやすい物質であるとされています。よく殺虫剤にも含まれていて、昆虫には強い毒性を示します。有害な体系で存在している場合(ボランやガス状の化合物の状態)では強い毒性を見せることがあるそうで、健康被害は内臓疾患や皮膚障害などです。このように、体系によって健康被害の症状は多岐にわたります。

セレンについては微量であれば、人体の必須元素とされています。が、必要以上に摂取し続けると毒性が現れます。皮膚障害や腎不全や心筋梗塞などの内臓疾患、うつ症状や焦燥感などの神経障害にまで関わってくると言われています。

カドミウムは日本の四大公害病にも上げられるイタイイタイ病の原因物質とされています。イタイイタイ病は鉱山などから排出されたものが原因とされているように、カドミウムは自然界に存在しています。そのため、米等の農畜水産物に堆積してしまいます。それらを摂取し続けることで腎臓に障害が起こり、病症が発症するとされています。

その他にも土壌汚染からくる健康被害の中には神経障害などもあります。長期間摂取し続けることがいかに恐ろしいかですね。このほかにも特定有害物質を使用している業種はたくさんあります。
今回硝子工房を取り上げさせていただきましたが、ガラス工房といっても様々な業態があり、有害物質を含まないような材料を使用されている工房もあるようです。ただし、1度でも有害物質を含むような原料を使用してしまうと、土壌汚染対策法としては、土壌汚染の可能性があると言わざるを得ないことになります。
塗料や材料など有害物質は様々なものに含まれています。

過去に工場として使われていた、土壌汚染が気になるがどうすればよいのかわからない、そんな時には是非ジオリゾームにご相談ください。

森上

2020/5/14日追記

ガラスを製造するときには、ガラスの主体となるものや、着色の為であったり、加工をしやすくする為に特定有害物質と呼ばれる人体へ悪影響を及ぼす可能性のあるものが使われています。

しかし、製品に使用されているからといって、人体へ悪影響を及ぼすことはありません。例えばコップに水を入れておいたからと言って、その水に有害物質が溶け出すということはありません。

あくまで製造工程において、原料を吸い込んでしまい健康被害を引き起こしてしまう可能性や、漏れだしてしまい土壌汚染を引き起こしてしまう可能性があるということです。
ご承知おきください。

さて、今回はガラスに含まれる有害物質がどのような場合に使用されるのかをご説明いたします。

・六価クロム
 六価クロムは緑色に着色する際に使用されるケースがあります。実際には若草色に近いので、
 鮮やかに発色する場合には銅を混ぜるようです。

・ふっ素
 ふっ素については、ガラスの加工をしやすくする為や、
 原料を溶融させやすくするために使用されます。
 高校の化学の授業で習うように、フッ化水素は非常に危険なもので、
 ガラスを侵食してしまう性質があります。
 逆に言えば、ガラスをリサイクルするときには、どろどろに溶かしてしまい、
 再度製品としてよみがえらせることができるわけですね。

・鉛
 鉛については、クリスタル・ガラスを作るときの原料とされています。
 ガラスの原料に酸化鉛を加えることで、透明度や光の屈折率があがり、
 高級感のあるガラスが仕上がるそうです。
 バカラの高級クリスタルガラスは酸化鉛が30%以上含まれていることが条件だったようです。
 しかし、昨今鉛は健康被害を引き起こす物質として様々な業界で代替品を用いるようになってます。

・ホウ素
 ホウ素は硬質ガラスを作るときの原料とされています。
 これは上記のブログにも書いていますが、ホウケイ酸ガラスと言われます。
 ホウ素はケイ素よりも粒子が細かい為、ガラス製品となった時に、
 密度が高く頑丈になるそうです。

・セレン、カドミウム
 セレンやカドミウムは着色の材料として使用されます。
 硫化カドミ(黄色)にセレン化カドミウムを混ぜていくことで
 オレンジ色~赤色となっていくようです。
 

土壌汚染調査を行う際には、ガラス工場と言っても、どのようなガラスを作っているのかということで
調査対象物質を検討しなければなりません。もちろんすべてを行うことで安全を見ることは可能ですが、コストを下げたいと考えるもの人の性ですね。

ジオリゾームではご相談いただいた際に、どのような形で土壌汚染調査を要望されるのかをしっかりと把握し、お客様に適した提案をしております。

土壌汚染調査で気になることわからないことがありましたら、
是非ジオリゾームにご相談下さい。

森上

2022年11月20日追記

こんにちは
かなり冷え込む日も増えてきましたね。もうすぐ冬本番といったところでしょうか。
インフルエンザもはやり始める時期ですが、手洗いうがいはかかさず行うようにしましょう。
娘の通っている保育園でも言われているのですが、娘の通っている保育園では靴下をはかせないようになっているため、帰宅後は足も洗うようにしています。

さて、窯業のお話の続きですが、窯業と聞いてもピンと来ないかもしれません。
陶芸といった方が分かりやすいかもしれませんね。
陶芸教室などでは、電動のろくろを使用して、形を作り、色や模様を描き、焼成する。というのが一連の流れですね。

陶芸に使われる粘土などには鉛などの重金属類が含まれていることがあります。
現在は技術も進み、鉛の含まれないものが使用されていると聞きます。
*粘土に鉛が含まれているからと言って、健康被害が起こるわけではありません。
食器などでは鉛を0.1%以上含むものを製造販売してはいけませんとなっています。  
 

有害物質や公害がまだまだ認められていない時代には、有害とは知らずに使用していたこともあるかと思います。

また、以前のブログにも記載していますが、粘土に着色を行うための顔料・着色剤には有害物質が含まれているケースがあります。こちらもそのものを摂取しない限りは健康被害になることはありません。
ただ、問題となるのは、有害物質であることを知らない状態で扱うことです。
土壌汚染対策法では、有害物質の使用があれば、移転や工場を辞められるときに、土壌汚染調査を命じられることがあります。

着色に使用した筆などを洗った排水などには有害物質が含まれていることがあります。その排水が漏れていたりすると、土壌汚染を引き起こします。それを知らずに土地を売ってしまうと、次の買手様は土壌汚染のある土地を買ってしまうことになります。

陶芸や窯業などあまり土壌汚染とは結び付くイメージはあまりないのですが、古くから事業を営まれていた土地を購入する際には注意が必要ですね。

土壌汚染のことで気になること、わからないことがあれば
是非ジオリゾームにご相談下さい。

森上


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1 個のコメント

    • カトウカナエ on 2020年1月31日 at 10:49 AM
    • 返信

    ホウ素が含まれているホウケイ酸硝子を使った水筒は、中身にホウ素が溶けて有害になりますか?

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