土地売買の際に、土壌汚染調査をしてから契約をするというケースが増えています。多くのは場合は有害な物質がその土地で使用されていたかも・・・という不安があるときに調査を行うことが多いようです。購入を希望する土地に汚染があると不動産価値や健康にも影響が出てくるからです。
では次のような場合は調査を行う方が良いのでしょうか?それともしなくても良いと思いますか?
『50年間、印刷業を行っていて、現在も稼働中の工場がある土地の売却を検討している。現状では、特定有害物質は使用しておらず、工場を廃止したとしても行政から調査をするようにと言われることもない。』
一見すれば、特定有害物質は使用していないというし、行政から調査をするようにという指示もないので、土壌汚染調査の必要性はないようにも思えます。
しかしながら、土壌汚染対策法は2003年に施行されたため、それ以前に特定有害物質を使用していたとしても、行政から調査をしなさいとは言われないのです。そのため、もしかすると過去に特定有害物質を含むインクや、印刷機の清掃に特定有害物質を含む薬剤を使用していた可能性があります。
現在の事業主が有害物質を使用していなかったとしても、先代が使用していてその情報を知らなかったということも珍しくありません。過去にも印刷工場の調査をしていた中で、現在は特定有害物質を使っていない工場で土壌汚染が判明したというケースは多くあります。行政への特定有害物質使用の届出の有無だけで判断をすると、思わぬ落とし穴が待っていることもありますので、土地売買の際には現在の状況だけでなく過去まで遡って土壌汚染調査を行うのかを判断されることをお勧めします。
佐伯
◆以下のページもご参照ください
・業種からの物質検索
・土壌汚染調査の流れ
・土壌汚染対策法とは?
・調査契機 一覧
・実績紹介