お問い合わせ

資料請求


資料


mail


電話

土壌汚染調査の株式会社ジオリゾーム

東京

03-5606-4470

大阪

06-6381-4000

草のイラスト

スタッフブログ

2021年

ヒ素毒混入によって起こった食品事故、「ヒ素ミルク中毒事件」


どうも。皆さん。

ジオリゾームでは汚染物質の有無や量を確認するための土壌汚染調査の業務を行っております。これらの汚染物質は健康被害を及ぼす可能性がある有害物質です。
四大公害で有名な水俣病やイタイイタイ病も特定有害物質に指定されている水銀やカドミウムの化合物が原因です。

今回はそんな有害物質の中で第2種特定有害物質に指定されているヒ素の毒性による大規模な健康被害事件、「M社ヒ素ミルク事件」をかんたんにご紹介しようかと思います。

ヒ素が混入していたドライミルク缶商品(引用:公益財団法人ひかり協会公式HP)

この事件は1955年に西日本一帯を中心として起きた、多数の乳幼児に中毒患者と死者まで出したヒ素による毒物混入事件です。被害に遭った乳幼児には、発熱、下痢、貧血、皮膚が黒くなるといった色素沈着の症状があらわれました。当初は奇病と思われておりました。
原因となったのは、粉ミルク(ドライミルク)にヒ素が混入して、それを摂取したことによって乳幼児がヒ素中毒になったのです。被害者の数は1956年の発表で約12300名にのぼり、うち130名の死者がでました。

ではなぜ粉ミルクにヒ素が混入したのでしょうか。
当時、件の製造会社では、粉ミルクを製造する過程において、乳製品の劣化による凝固を防ぐための安定剤として第二リン酸ソーダという物質を加えていました。この第二リン酸ソーダという物質は現在でもハムやかまぼこなどにも使用されています。
しかし、この事件で使用された第二リン酸ソーダは食用ではなく、より安価であった工業用のものが使用されていたのです。そしてこの工業用の第二リン酸ソーダは、もともとアルミ精製業者がその製造過程で生じた副産物、いわば産業廃棄物からつくられていました。この廃棄物には多量のヒ素が含まれていたのです。そして出荷された工業用第二リン酸ソーダ(ヒ素含有)はいくつかの企業を転々と経由し、製造会社に納品されました。しかも製造会社は十分な安全検査を行わずにこの第二リン酸ソーダを使用してしまいます。こうしてヒ素によって汚染された物質を加えられた粉ミルクが大量に製造され、市場へと広がってしまったのです。

土壌汚染物質の用途;砒素及びその化合物

当時は、日本の経済成長が優先される時代であり、消費者の権利や食の安全性という意識は社会には希薄でした。そのため政府が製造企業側に味方し、被害者たちの声や運動は抑え込まれてしまいまいました。
ところが、被害者たちに脳性麻痺や発育不良といった後遺症の可能性が浮上し、再び運動が再開。加害企業製品の大規模な不買運動にまで発展しました。
その後、加害企業は事件と自社製品の因果関係を認めたものの、あくまで責任は第二リン酸ソーダの調達先である企業にあって自社の責任を否定するといった主張を行いましたが、ようやく1973年に被害者救済の団体と国と製造企業に被害者への恒久的救済を約束した同意書が結ばれ、事件は一応の終結を迎えることになります。しかしながら、現在でも、当時は乳幼児であった被害者たちは脳性麻痺や知的障害、難聴、骨の発達不良といった重い症状に悩まされています。

今現在から考えれば、工業用のものを食品に使用するなんてとんでもないことですね。料理している最中に食用油や食塩が無いからといって、工業用の油や塩を使おうものなら、どれほど恐ろしいことになるでしょう。
当時は、消費者への安全衛生や企業倫理の意識が今よりも低くて後の悪影響や被害についてほとんど鑑みられていなかったことがよくわかります。食品に有害物質が混入したら大きな被害を生むという一例です。
この事件が取りざたされていた同時期の1968年には、食用油が同じく有害物質のPBCで汚染され、多数の被害者がでたカネミ油症事件も起こっています。

PCBとは?

日本では、2003年に土壌汚染対策法が施行されました。これにより特定有害物質の使用には届け出等の規制ができました。が、これ以前に有害物質を使っていた業者や施設のあった土地に汚染が残っている可能性は十分にあります。また、今回の話に出てきたヒ素は自然界にも存在します。もともとの土地に地中深くにあったヒ素が建設で掘り起こされるケースや建築の際の造成に使う盛り土に山から削った土砂や掘り起こした土を使用し、それにヒ素が含まれているケースもあるのです。

有害物質と土壌汚染は、予想もしていないような場所から発見される可能性があります。土地の売買や建設時には調査を行い、リスクや安全管理を行うようにすることが肝要です。
土壌汚染や調査について詳しいことを知りたい方は当社までご相談ください。

佐伯

土壌汚染物質 一覧
土壌汚染対策法とは?
ブログ記事:建築現場からみつかる土壌汚染の原因とは~身近にあるヒ素による土壌汚染~


コメントを残す

メールアドレスは公開されません

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください