当社では、太陽光基礎杭の強度試験と一緒に、地盤調査(ボーリング調査)も多数ご用命を頂いてきました。地盤調査の施工もお気軽にお声がけ下さい。
当社は、土壌汚染調査事業部と連携して、土壌汚染調査と地盤調査の同時施工も行なっております。
地盤調査とは?
家を建てる前に、建物を建てても安全な土地かどうかを調べる調査のことです。地盤調査(ボーリング調査)と呼ばれています。建物が丈夫でも、家の基礎となる地盤が弱ければ安全な住まいとは言えません。
安心安全な住宅の建築には地盤調査が欠かせません。
地盤調査の目的
地盤には、建築物を建てるのに適した地盤もあれば、軟弱な地盤もあります。仮に軟弱な地盤に何の対策も行うことなく住宅を建ててしまうと、長年使っている間に、徐々に傾き、ひび割れや排水障害が起こります。また住宅が傾いた状態で生活を続けてしまうと、平衡感覚が狂わされてしまうこともあります。
地盤調査はその土地の強度について調べ、建物が安全に支えられる地盤か、安全に建てるためにはどうすべきかなどを把握するために行います。
関連法令
住宅地盤に特に関係する法令は以下の3つがあります。
- 建築基準法
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)
- 住宅瑕疵担保履行法
質確保促進法による瑕疵保証制度
新築住宅の場合、基本構造部分について最低10年間の瑕疵担保責任を義務付けています。
→期間中に瑕疵が認められた場合は、売主(売買契約)や請負人(請負契約)へ修補・賠償の請求や契約の解除ができる。(特約で20年まで延長可能)
※必要な地盤調査をしていない欠陥住宅については、そもそも建築確認申請が通りません。
地盤調査と不動産鑑定
不動産鑑定における価格形成要因は地勢のほか地盤も重要です。
→地盤が弱いと土地改良費用がかかるため評価額が下がります。
ただし費用が掛かるので省略されることが多いのが現状です。その場合は、地歴調査の地形図、閉鎖登記簿、地盤図から推定します。このため不動産鑑定評価が高くても、地盤状況が良好とは限らないことがありますので注意が必要ですね。
地盤調査(ボーリング調査)の「N値の目安」
建造物の支持力を計算するための係数のことで、地盤の固さを知るための指標のことをN値といいます。標準貫入試験で求められるため、標準貫入試験値とも言われています。
Number of blow(=打撃回数)の頭文字を取ってN値と呼びます。
- 0~4:地面にさした鉄筋を手で入れられる
- 4~10:スコップで地面が掘れる
- 10~30:鉄筋を2kgのハンマーで叩けば簡単に地面に刺さる
- 30~50:鉄筋を2kgのハンマーで叩いてもなかなか刺さらない
- 50~ :地面を掘るのにツルハシが必要
必要なN値(小規模構造物)
小規模構造物(主に住宅)
国土交通省告示1113号(一部抜粋):
基礎底部から下方2m以内の地盤にSWSの荷重が 1kN以下で自沈する層が存在する場合若しくは基礎の底部から下方2mを超え5m以内にある 地盤にSWSの荷重が500N以下で自沈する層が存在する場合にあっては、 建築物の自重による沈下その他の地盤の変形等を考慮して建築物又は建築物の部分に有害な損傷、 変形及び沈下が生じないことを確かめなければなりません。
中低層構造物(低層:2階以下、中層:3~5階)
支持層の定義:N値30以上かつ厚さが3m以上
高層建造物(高層:6階以上※消防法では31m以上)
支持層の定義:N値50以上かつ厚さ5m以上
地盤ボーリング調査の調査方法
スクリューウェイト貫入試験
戸建住宅に限っていえば、広く採用されているのがスクリューウェイト貫入試験(SWS試験、旧スウェーデン式サウンディング試験)と呼ばれる調査方法です。戸建住宅1戸当たりの敷地で言えば半日程度で完了できる優れものです。
標準貫入試験(ボーリング調査)
いわゆるボーリング調査というと、こちらの標準貫入試験のことを指します。
N値を求めるために行う試験のひとつが標準貫入試験です。ボーリング孔に重さ63.5kgのハンマーを76±1cmの高さから自由落下させて、サンプラーが30cm貫入するのに必要な打撃回数=N値を調べます。深度1mごとに実施し、予備打ちで15cm貫入後、本打ちで30cm貫入させ、打撃前に自沈(ロッドやハンマーの自重のみでサンプラーが貫入)した場合はその深さを記録します。主に大規模構造物を支える支持層を見つけるために用いられる試験です。
こちらの調査はSS試験とは違い、実際に土をサンプリングすることもできるため、SWS試験より多くの地盤情報を得ることができ、戸建て住宅よりも大きいもの、(RC、ビルやマンションなど)を建築する際に活用されます
平板載荷試験
地盤の支持力特性を求めるために行う試験が平板載荷試験です。地盤に対して建築予定の構造物と同じ荷重をかけ、地盤の変形具合や沈下の度合いを調べます。大型の重機が必要で、1日で試験可能な地点数も限られるため、大規模建設で利用されることの多い試験です。
孔内水平載荷試験
建築物に杭基礎を使用する場合、杭を打ち込む基礎地盤の硬さが重要になります。もし仮に基礎杭を打ち込んだ地盤が軟弱だと、地震などで地盤が揺れた時に杭を支えることができず、建築物が倒壊してしまう恐れがあります。基礎杭に対する支持力を調べる試験、それが孔内水平載荷試験です。
一軸圧縮試験
地盤の垂直の強度を調べる試験です。
直接基礎(布基礎、独立基礎、べた基礎)の検討の際に必要となります。
建物と基礎の重みが、地盤に重量としてのしかかる(接地圧と言います。)ため、軟弱地盤の上に直接基礎を施すと、不動沈下の原因となります。そのため、地盤の耐荷重(地耐力と言います)を調査します。
また、一軸圧縮試験で得られる、強度(一軸圧縮強度)はN値からも推定可能で、qu=12.5Nで得られます。
三軸圧縮試験
一軸圧縮試験よりもより実物に近い状態で試験を行う方法です。
「間隙比、飽和条件、排水条件、圧密条件」などを操作しつつ、試験を行うことが可能です。
液状化の判定について
地震により地下水位の高い砂質地盤が液体状になることを液状化現象といいます。砂質土は砂粒子同士の摩擦力で安定を保っているのですが、そこに振動が加わると砂粒子の摩擦力が減少し、砂粒子間の隙間に地下水が入って起こります。地盤上に構造物があると、液状化の影響で転倒・倒壊する恐れがあります。
液状化しない地盤
液状化は埋立地や三角州、水田の跡地など、近現代に人の手によって改変された土地で起こりやすいです。また地下水位が高い場所でも、振動によって地下水が流入しやすいため注意が必要です。
一方で粘土質地盤や地下水位の低い地盤では液状化が起こりにくいとされています。また標準貫入試験から得られるN値や細粒分含有率試験の結果、地下水の水位の状況などから液状化の簡易診断を判定することができます。
液状化対策
こうした場所で建築物を作る場合は、地盤を転圧して締固める、基礎杭を支持層まで打ち込む、地盤改良を行う、地下水位を下げるなどの対策を行うことで、液状化リスクを下げることが可能です。
地盤調査(ボーリング調査)の費用
スウェーデン式サウンディング試験の費用
試験箇所数にもよるが戸建てで4~5万円程。(戸建てなら5箇所程度/日・戸)
ボーリング調査(標準貫入試験)の費用
ボーリング調査(標準貫入試験)の費用は、試験する項目によりますが、1地点で35~40万円程(必要深度にもよりますが、15m/日)
*初日は準備なども必要なため、8~9m程
地盤調査についての試験内容や費用など、何なりとお気軽にご相談ください。
土壌汚染調査との同時施工も承っております。