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画像(土壌汚染対策法―改正ポイント)

「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」が平成29年3月3日に閣議決定され、平成29年5月19日に公布されました。また、そのうちの一部が平成30年4月1日から施行されました。 

【第二段階施行】平成31年4月1日施行の内容

平成29年5月19日に公布された「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」の施行期日が平成31年4月1日と定められました(5.その他 については平成30年4月1日から施行)。

土壌汚染対策法改正ポイント1

調査契機の拡大。調査の猶予を受けている土地への新規制(第3条)

改正前
工場が操業を続けている等の理由により土壌汚染状況調査が猶予されている土地において、土壌汚染状況の把握が不十分であり、地下水汚染の発生や汚染土壌の拡散が懸念。

改正後

  • 土壌汚染状況調査が猶予されている土地において、利用の方法の変更だけでなく、土地の形質変更※時にも届出をすることとする(3条7項)。土地の形質変更を行うときは届出をする必要があるとともに調査義務が発生する場合があります。
    ※ただし、「軽易な行為その他の行為であって、環境省令で定めるもの」は届出の対象から除かれます。
    「第一項ただし書の確認に係る土地」で、調査の猶予を受けている土地をお持ちの方はご注意ください!
  • 都道府県知事は、届出がなされた形質変更を行う土地について、土壌汚染状況調査を命ずることとする(3条8項)。

土壌汚染対策法改正ポイント2

汚染の除去等の措置内容に関する計画提出命令の創設等(第7条)

改正前
汚染の除去等の措置に係るリスク管理が不十分汚染の除去等の措置が必要な区域において、適切な措置が 計画・実施されていなくても、是正の機会がなく、リスク管理が 不十分。

改正後

  • 要措置区域の土地所有者等に対し、都道府県知事への汚染除去等の措置内容に関する計画及び変更計画、措置完了報告書の提出を義務付ける(7条1項、3項、9項)。
  • 計画内容が技術的基準に適合しない場合の知事による計画変更命令を創設(7条4項)。
    ※計画や報告書の記載事項、様式や技術的基準を、省令において規定予定。

土壌汚染対策法改正ポイント3

リスクに応じた規制の合理化①(第12条)

改正前
リスクに応じた規制の合理化が必要。
・臨海部の工業専用地域において、一般の居住者による地下水の飲用や土壌の直接摂取の可能性がなく、埋立材や自然由来による基準不適合土壌のみが広がって いる場合については、土地の形質変更に伴う健康リスクは低いと考えられる。
・一方、大規模な工事を行う場合には届出・調査が必要となり、その結果、形質変更時要届出区域に指定され、工事毎の事前届出が求められることになるため、人の健康へのリスクに応じた必要最小限の規制とすべきとの指摘がある。

 改正後

  • 形質変更時要届出区域において、下記の条件を満たす土地の形質変更であって、予め都道府県知事の確認を受けた土地の形質変更の施行及び管理の方針に基づく行為について、工事毎の事前届出に代えて年一回程度の事後届出とする(12条1項1号、4項)。
    -① 土壌汚染状況調査の結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染が専ら自然又は当該土地の造成時の水面埋立てに用いられた土砂に由来する土地の形質の変更
    -② 地下水や土地の利用状況に応じ、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがない土地※の形質変更
    ※臨海部の工業専用地域に位置する土地に限定するただし、人為由来汚染の位置が特定されている土地は含まない。)ことを省令において規定予定。

土壌汚染対策法改正ポイント4

リスクに応じた規制の合理化②(第16条、第18条、第27条の5)

改正前
基準不適合が自然由来等による土壌は濃度が低くかつ同一地層に広く存在している。
これらを区域外へ搬出する場合は、事前に都道府県知事へ届出し、人為由来と同様に都道府県知事の許可を受けた汚染土壌処理施設で処理する必要がある。
また、同一の地層の自然由来等による基準不適合の土壌がある他の区域への搬出ができないため、工事の利便性が悪い。

 改正後

  • 基準不適合が自然由来等による土壌を搬出する場合は、処理施設での処理に限定せず、都道府県知事へ届出を行い、運搬方法や搬出先等について、汚染の拡散がないことの確認を受けた上で、同一の地層の自然由来等による基準不適合の土壌がある他の指定区域への移動も可能とする(16条1項7号、18条1項2号)。
    ※必要な手続きや要件について、省令において規定予定。
  • 併せて、国や自治体等が行う水面埋立等による汚染土壌処理について、都道府県知事との協議の成立により、処理業の許可を得たものとみなす特例を定める(27条の5)。

土壌汚染対策法改正ポイント5

その他

改正後

  • 土地の形質変更の届出・調査手続の迅速化、施設設置者による土壌汚染状況調査への協力に係る規定の整備等を行う。

参考:土壌汚染対策法の一部を改正する法律案の概要(環境省)

参考:平成29年度改正土壌汚染対策法説明会資料「改正土壌汚染対策法について」(環境省)

ポイント5(その他)については、平成30年4月1日より施行となりました。次項で詳しい内容を説明します。

【第一段階施行】平成30年4月1日施行の内容

土地の形質の変更の届出に併せて行う土壌汚染状況調査の結果の提出(改正法第4条第2項)

改正後

  • 一定規模以上の土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地の所有者等の全員の同意を得て、当該土地の土壌の汚染状況について、都道府県知事に対し、土地の形質の変更の届出に併せて土壌汚染状況調査の結果を提出することができることとする

法第4条(3,000平方メートル以上の土地の形質の変更)の手続において汚染のおそれを的確に捉え、迅速に行政判断を行えるようにするため、当該土地の所有者等の全員の同意を得て、当該土地の土壌の汚染状況について、都道府県知事に対し、土地の形質の変更の届出に併せて土壌汚染状況調査の結果を提出することができることになりました。

 本規定により当該土地の土壌汚染状況調査の結果を提出した場合には、改正法第4条第3項の土壌汚染状況調査の結果の報告の命令の対象となりません。ただし、土壌汚染状況調査の方法や結果に不備がある場合や、土地の形質の変更に着手する時点の土地の汚染の状態を反映していないものについては、調査結果の報告を命じることがあります。

解除台帳の調製(改正法第15条第1項)

改正後

  • 区域指定が解除された要措置区域等の台帳を調製及び保管しなければならないこととする

区域指定が解除された要措置区域等の台帳を調製及び保管しなければならないこととなります。県知事等は、要措置区域等についてその所在地、土壌汚染の状況等を記載した台帳に加え、区域指定が解除された要措置区域等の台帳を調製し保管することとされました。

汚染土壌処理業の欠格要件の見直し(改正法第22条第3項)

改正後

  • 「暴力団員等に該当しないこと」が欠格要件に追加されました。
  • 法定代理人(申請者が未成年である場合。法定代理人が法人である場合はその法人の役員を含む。)及び政令で定める使用人に対しても欠格要件が適用されることになりました。

汚染土壌処理業の譲渡及び譲受、汚染土壌処理業者である法人の合併又は分割並びに相続の承認申請(改正法第27条の2、第27条の3、第27条の4)

譲渡及び譲受

汚染土壌処理業者が当該汚染土壌処理業を譲渡する場合において譲渡人及び譲受人が,その当該譲渡及び譲受について,県知事等の承認を受けたときは,譲受人は譲渡人の汚染土壌処理業者の地位を承継することとなりました。

合併又は分割

汚染土壌処理業者である法人の合併又は分割の場合において当該合併又は分割について,県知事等の承認を受けたときは,合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該汚染土壌処理業の全部を承継した法人は,汚染土壌処理業者の地位を承継することとなりました。

相続

汚染土壌処理業者が死亡した場合において,相続人が汚染土壌処理業を引き続き行おうとするときは,被相続人の死亡後60日以内に県知事等に申請して承認を受けることで,汚染土壌処理業者の地位を承継することとなりました。

指定調査機関の事業所の名称、所在地等の変更の届出(改正法第35条)

改正後

  • 指定調査機関に係る変更事項について、事後届出に変更する

都道府県知事による土壌汚染に関する情報の収集、整理、保存及び提供等(改正法第61条第1項)

改正後

  • 都道府県知事による情報収集事項として、当該都道府県の区域内の土地についての、土壌の特定有害物質による汚染による人の健康に係る被害が生ずるおそれに関する情報が追加されました

有害物質使用特定施設を設置していた者による土壌汚染状況調査への協力(改正法第61条の2)

改正後

  • 有害物質使用特定施設を設置していた者は、当該土地における土壌汚染状況調査を行う指定調査機関に対し、その求めに応じて、当該有害物質使用特定施設において製造し、使用し、又は処理していた特定有害物質の種類等の情報を提供するよう努めるものとされました

参考:平成29年度改正土壌汚染対策法説明会資料「改正土壌汚染対策法について」(環境省)

 

平成22年の土壌汚染対策法の改正ポイント

土壌汚染対策法改正ポイント1

3,000㎡以上の土地の形質変更時に土壌汚染調査が義務化(土壌汚染対策法第4条)

改正前
特定有害物質を使用している特定施設を廃止した事業所」にのみ調査が義務付けられていました。
大阪府や東京都などの限られた都道府県条例でのみ、3,000㎡以上の土地の改変の際に土壌汚染調査が義務化されていました。

 改正後

  • 2010年4月1日の 土壌汚染対策法の改正によって、
    全国の「3,000㎡以上の土地の形質変更を行おうとする土地のうち、都道府県知事が特定有害物質により土壌が汚染されているおそれがあると認めた範囲については、土壌汚染調査の義務が発生」することになりました。

この表現、分かりにくいので、ポイントをご説明させていただきます。

解説1 対象となる土地


「3,000㎡以上の範囲の土地を形質変更する場合」です。 敷地が3,000㎡以上ではありません。 つまり、敷地が10,000㎡であっても、土をいじる面積が3,000㎡より少ない場合は、対象にはなりません。逆に、敷地が3,000㎡で、敷地全てを掘削、盛り土する場合は対象になります。

解説2 調査の流れ

開発等の際に、3000㎡以上の土地の形質変更の届け出を役所にしたところから、スタートとなります。
ポイントは、都道府県知事が汚染のおそれがあるかどうかを調べて判断する。という点です。
具体的な調査の流れは、下記になります。


全国で、3,000㎡以上の土地の改変を検討されている方は、ご注意ください。

さて、都道府県知事がどうやって汚染のおそれがあるかどうかを調べるのかについてですが、都道府県によっては、開発者に指定調査機関に調べさせた地歴調査報告書を提出させるケースもあります。都道府県によってさまざまですので、お気軽にお問い合わせください。
また、都道府県条例によっては、土壌汚染対策法に加えて調査が義務付けられているケースもありますのでご注意ください。
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

改正土壌汚染対策法 ポイント2

汚染土壌が残っている区域の分け方が細分化

改正前
行政は、汚染土壌が残っている土地をすべて「指定区域」として管理していました。

 改正後

  • 2010年4月1日の土壌汚染対策法の改正により、下記の2つに分類されました。
    ①「要措置区域」=人への健康被害を及ぼさないように汚染土壌・地下水の対策が必要な土地
    ②「形質変更時要届出区域」=汚染土壌や地下水が、現状のままで土地を利用するなら人への健康被害を及ぼさない状態の土地。そのまま使うのであれば問題はないが、開発など土地を改変する場合には届出をしてくださいという土地

ポイントをご説明させていただきます。

解説1 調査後の分類

実際に土壌汚染調査で、汚染ありの結果が出た場合に、下記のように分類されます。

解説2 調査後の分類

2011年7月8日に、上記の②「形質変更時要届出区域」がさらに、下記の4つに分類されました。
自然由来特例区域
自然的原因ために基準値に適合しない土地(シアン化合物を除く第二種特定有害物質による)
埋立地特例区域
埋め立て又は干拓によってできた土地で、埋め立て用材料によって基準値に適合しない土地
埋立地管理区域
埋め立て又は干拓によってできた土地で、工業専用地域にある土地。又は、将来にわたって、地下水が飲用で利用されない可能性が高いと認められる土地。
適正管理区域
人為的な原因で汚染された土地で、土地の形質変更時に届出をしなければならない土地
また、それに伴って、一部の区域での調査方法や形質変更の施工方法についての指示が出されました。詳細は区域分類の表(外部リンク:環境省)をご参照ください。

改正土壌汚染対策法 ポイント3

自主調査の届出

改正前
自主調査の報告内容を行政がどう処理するかについて、触れられた条文はありませんでした。

 改正後

  • 2010年4月1日の 土壌汚染対策法の改正によって、
    「自主調査の結果を都道府県知事に報告し、区域への指定を申請することができる(第14条)」と明文化されました。
    自主調査の結果を行政へ届け出れば、義務調査と同じように区域指定されるようになりました。
解説1 自主調査の届け出は義務ではありません

新14条により、自主調査の報告をすることができるようになりましたが、
「できる」という表現なので、「届出は義務ではありません」。あくまで、自主的なものです。

解説2 自主調査を届け出るメリット

届け出が義務でないなら、届け出るメリットなんてあるの?特に、汚染が出た場合にはわざわざ公表してどうなるの?と思われる方もいらっしゃると思います。

汚染のある土地

まず、一つ目のメリットとしては、「役所のお墨付きをもらえる。」こと。このメリットが特に活かせるのは、汚染が無かった場合と、浄化工事をした場合になります。法律改正前は、これが目的で自主的に報告書を届け出ていました。
2つ目の メリットとしては、例えば、汚染ありの調査結果が出たが完全に除去するにはコストが莫大にかかるために、
「周囲住民へ健康被害が及ばない最低限の措置をして、周辺住民への理解を得たい」といった場合、調査結果を行政へ報告して「形質変更時要届出区域」に指定してもらえば説明がしやすいということ等が挙げられます。

環境省としては、汚染の完全除去は莫大なコストもかかり、汚染土がその場から移動するという環境負荷の問題もあることから、「形質変更時要届出区域」を増やしていきたいと強調されていました。しかし、市民の意識が変わるには、土壌汚染や地下水は、食べたり飲んだりすることが無ければ大丈夫なんだという正しい認識が広がることや、土地に対する評価の問題等がクリアになることが課題になっていくと思われます。

ご質問や内容については、お気軽にお問い合わせください

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