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第二種三種特定有害物質
つっちー

第2種と第3種の有害物質ってなに?どんなものなんでしょう?

さえき

第2種特定有害物質は「重金属類」でカドミウムや六価クロムなどの金属です。第3種特定有害物質は主として過去に農薬に使用されていた物質とPCBになります。

基準値やどんな場面で使われているのか、特徴など1つ1つ解説していきます。

◇お知らせ◇
2021年4月より、カドミウムの基準値が変更されました。

第2種特定有害物質:重金属類

カドミウム及びその化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.003mg/L 以下
○土壌含有量基準: 45mg/kg 以下
○地下水環境基準: 0.003mg/L 以下

特徴・用途

カドミウムは亜鉛の鉱石に多く含まれて産出し、水中ではイオン、錯体、懸濁粒子として存在しています。
カドミウムは、金属として銅・銀・ニッケルなどの合金、鉄などの電気メッキ、蓄電池の電極板、原子炉制御棒、ハンダ、銀ロウ、また化合物として顔料、合成樹脂安定剤などの用途に使われています。近年では、日本の需要の80%は電池の用途です。

環境中での動き

大気中には、精錬、石炭や廃棄物の燃焼により放出されます。また、カドミウムを含む製品の生産工程や使用過程によっては大気中に飛散する可能性があり、空気中に放出されたカドミウム粒子は長距離移動すると考えられています。

水中には、大気からの降下、廃棄物埋立地からの飛散、工場廃水の漏洩などにより浸入します。カドミウムは土壌粒子、コロイド粒子、腐植質などと結合すると考えられ、一部分が水に溶解します。(環境省「水生生物の保全に係る水質目標について」水生生物保全検討会報告参考資料より)

カドミウムは土壌への吸着性が高く水への溶解度が低いため、土壌中における移動性は小さいとされています。土壌中の存在形態は酸化状態では大部分が交換性陽イオンとして土壌に吸着しているものと考えられ、一部はリン酸塩、炭酸塩などの難溶性化合物であり、還元状態では難溶性の硫化物として安定であるとされています。

六価クロム化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.05mg/L 以下
○土壌含有量基準: 250mg/kg 以下
○地下水環境基準: 0.05mg/L 以下

<特徴・用途>

クロムには多くの種類があり、クロムのイオンの価数が3価のものを三価クロム化合物、6価のものを六価クロム化合物といいます。六価クロム化合物には多くの種類の化合物があり、代表的な化合物の用途としては以下があります。

・クロム酸(無水):顔料の原料、窯業原料、研磨材、酸化剤、メッキや金属表面処理
・クロム酸鉛:黄色顔料
・二クロム酸カリウム:顔料の原料、染色用材、酸化剤・触媒、マッチ・花火・医薬品などの原料、着火剤
・クロム酸ストロンチウム:塗料や絵の具の原料
・二クロム酸ナトリウム:クロム化合物の原料、顔料・染料などの原料、酸化剤・触媒、金属表面処理、皮なめし、防腐剤、分析用試薬
・クロム酸亜鉛:錆止め塗料の原料
・クロム酸カルシウム:着色料

<環境中での動き>

環境中へ排出された六価クロム化合物は、河川や海、土壌、水底の泥に存在していると考えられます。土壌中に入った六価クロムは、少量の場合は有機物などとの反応によって容易に還元されて三価クロムに変化し、水に溶けにくい形になると考えられますが、大量に入ると六価クロムのまま土壌中に存在したり、地下水に入ります。

シアン化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 検出されないこと
○土壌含有量基準: 50mg/kg 以下(遊離シアンとして)
○地下水環境基準: 検出されないこと(定量限界0.1mg/L)(全シアンとして設定)

<特徴・用途>

シアン化合物は、化合物によって用途は異なりますが、他の化学物質の原料、触媒、メッキなど工業分野で使われています。 代表的な化合物とその用途としては以下のようなものがあります。

・シアン化水素:別名青酸と呼ばれています。常温で無色透明の液体または気体で、水に溶けやすい物質です。ゴム、樹脂や繊維の原料となるアクリロニトリルや、乳酸などの有機化合物や殺鼠剤の原料に使われるほか、農薬などに使われています。また、鉱石に含まれている金属を取り出すためにも使われています。なおシアン化水素は、たばこの煙にも含まれています。

・シアン化カリウム:別名青酸カリと呼ばれています。常温で無色透明または白い固体で、水に溶けやすい物質です。シアン化カリウムは、分析の際に障害となる金属イオンの除去などに使われたり、触媒、農薬や医薬品の原料としても使われています。

・シアン化ナトリウム:別名青酸ソーダと呼ばれています。常温で白色の固体で、水に溶けやすい物質です。酸と反応するとシアン化水素ガスを発生します。主にメッキに使われています。また、金の精錬や非鉄金属から銅や銀などを抽出する際に使われるほか、顔料の原料として使われています。

・シアン化カルシウム:常温で特徴的な臭いのある、無色透明または白色の固体です。農薬の原料として使われています。

・塩化シアン:常温で無色透明の気体または液体です。シアンイオンを塩素処理すると生成されたり、アンモニウムイオンと塩素との反応によっても生成され、塩素消毒などの副生成物のひとつです。 なお、ライマ豆、アーモンド、杏仁、梅などには、天然シアン化合物が含まれています。

<環境中での動き>

無機シアン化合物の環境中の動きについては情報がありません。シアン化水素の場合、十分な酸素供給のもと、シアン化水素でならして分解しやすいようにした活性汚泥(汚泥を浄化する働きをもつ微生物のかたまりで)を用いると、容易に分解され、二酸化炭素とアンモニアを生じるとされています。

水銀及びその化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.0005mg/L 以下(水銀及びその化合物として)かつ検出されないこと(メチル水銀)
○土壌含有量基準: 15mg/kg 以下(水銀及びその化合物として)かつ検出されないこと(メチル水銀)
○地下水環境基準: 0.0005mg/L 以下(総水銀として)

<特徴・用途>

水銀は、常温で液体である唯一の金属で、水に溶けにくい銀色の物質です。他の金属と違って低温で固体から液体になり、また常温で揮発します。水銀は自然界では硫黄と結合しやすいため、硫化水銀(辰砂)の形で存在することが多く、硫化水銀は、紀元前から赤色顔料などとして用いられ、金メッキをする際にも利用されてきました。

 水銀は、各種電極や金・銀などの抽出液、水酸化ナトリウム製造の際などに使われているほか、身近なところでは、血圧計、体温計、温度計などの計器類、水銀灯、蛍光灯などに使われています。また、かつては虫歯に詰めたりするアマルガムや消毒液のマーキュロクロムにも多く使われていましたが、現在ではほとんど使われていません。なお、水銀は石炭中にも微量に含まれています。

水銀の代表的な化合物とその用途としては以下のようなものがあります。
・塩化水銀(Ⅱ):水に溶けやすく、常温で白色の固体です。殺菌剤や防腐剤、実験用試薬や合成樹脂製造の際の触媒などに使われています。
・酸化水銀(Ⅱ):常温で固体で、赤色と黄色の2種類があります。磁器顔料の希釈剤、試薬の触媒などに使われています。
・塩化メチル水銀:常温で白色の固体で、試薬として使われています。なお、有機水銀中毒として知られる水俣病は、アセトアルデヒドの製造過程で触媒として使われていた無機水銀化合物から塩化メチル水銀が副生され、これを処理しないまま排水として川や海へ排出したことから起きたものです。

<環境中での動き>

大気中へ排出された水銀は、ほとんどが水銀蒸気として存在すると考えられます。人為的な排出以外にも、水銀蒸気として地殻や海などから揮発したり、火山からの噴出によって、大気中に放出されます。大気中での残留時間は、報告によって6日から6年間までと幅があります。多くは雨とともに地表に降下します。土壌中や水中では再び水銀蒸気に戻ったり、微生物によって有機水銀化合物に変化するものもあります。

セレン及びその化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.01mg/L 以下
○土壌含有量基準: 150mg/kg 以下
○地下水環境基準: 0.01mg/L 以下

<特徴・用途>

セレンは、常温で赤褐色から暗灰色の固体です。わが国では、セレンは銅精錬やスクラップ精錬に伴って生産されます。

セレンは光を受けると電気を流す性質があるため、コピー機の感光ドラムや太陽電池に使われています。また、ガラスや陶磁器などの赤、ピンク、橙黄色の着色剤や顔料、ガラスに含まれる不純物の色を吸収する消色剤、合金の添加剤として用いられるほか、セレンが欠乏している地域の土壌改良剤にも使われています。

セレンの代表的な化合物とその用途については以下のようなものがあります。
・亜セレン酸:常温で無色または白色の固体です。試薬、酸化剤や顔料などに使われています。
・亜セレン酸ナトリウム:常温で白色の固体で、吸湿性があります。ガラスの着色剤や消色剤、顔料、軽金属のメッキ処理剤や動物用飼料などに使われています。
・セレン化水素:常温で無色の気体で、ニンニク臭があります。半導体を製造する工程で使われています。
・六フッ化セレン:常温で無色の気体です。電気絶縁体や半導体に使われています。
・二硫化セレン:常温で赤黄色の固体です。ふけ取りシャンプーの原料や動物用医薬品などに使われています。

<環境中での動き>

環境中では、セレンは主に土壌及び水底の泥に存在するとされています。セレンの化合物の環境中での詳しい情報は得られていません

鉛及びその化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.01mg/L 以下
○土壌含有量基準: 150mg/kg 以下
○地下水環境基準: 0.01mg/L 以下

<特徴・用途>

鉛は、鉄に比べて1.4倍重い元素で、青みを帯びた白色または銀灰色の光沢をもつ金属ですが、空気にふれると酸化されて鉛色に変色します。比較的柔らかく、加工が容易なため、古代エジプトやローマ時代から利用されています。また、その毒性も古くから知られ、紀元前370年ごろに、金属精錬作業者の腹痛の原因が鉛中毒であることが指摘されています。

鉛は、主にバッテリー(蓄電池)の電極として使われています。バッテリーは、鉛と希硫酸の化学反応を利用して充電や放電を行います。この他、はんだの原料としても使われています。はんだは、鉛とスズの合金で、電子部品の接続材料の主流を占めています。

また、狩猟の弾丸や釣りの錘にも一部使われており、野生生物への影響が問題となっています。なお、かつてはノッキングを起こりにくくするために、自動車のガソリンに鉛の化合物が添加されていましたが、現在ではレギュラーガソリン、ハイオクガソリンとも鉛の添加は禁止されています。

鉛の代表的な化合物とその用途としては、以下のようなものがあります。

・一酸化鉛:屈折率を高めるためにガラスに加えられ、その含有率が24%以上のものはクリスタルガラスと呼ばれています。この他、蛍光灯やテレビのブラウン管、塩化ビニル樹脂の安定剤の原料などに使われています。
・二酸化鉛:バッテリーの電極に使われるほか、サッシ用パテや建築用シーリング剤に利用されるプラスチックを製造する際の硬化剤としても使われます。
・硝酸鉛:マッチや爆薬の原料として使われます。

<環境中での動き>

大気中では主に粒子で存在し、風や雨とともに地表に降下すると考えられます。鉛の粒子は非常に小さいため、遠くまで運ばれることが報告されています。 河川では、鉛やその化合物の多くは水に溶けにくく、主に水中の粒子などに吸着した形で存在していると考えられます。

土壌中の鉛は、鉱物表面や土壌中の有機物に吸着するため、地下水への移動はほとんど起こらないと考えられていますが、鉛が吸着した土壌粒子が浸食されることによって、河川などに移動する可能性があります。 水や大気中から検出される鉛には、人為的な排出のほかに地質に起因するものがあります。

砒素及びその化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.01mg/L 以下(砒素として)
○土壌含有量基準: 150mg/kg 以下(砒素として)
○地下水環境基準: 0.01mg/L 以下(砒素として)

<特徴・用途>

砒素は、天然の硫砒鉄鉱から得られる物質で、金属と非金属の両方の性質をもつため、半金属元素と呼ばれています。砒素にはさまざまな化合物があります。砒素は、金属光沢のあるもろい灰色の結晶で、二硫化砒素(花火の着色剤、塗料用の顔料)の原料に使われたり、硬さを高めるために合金(銅など)に添加されるなどの用途があります。また、ガリウム、インジウム、アルミニウムとの化合物は、半導体の原料としてすぐれ、半導体レーザーや赤色の発光ダイオードの原料などとして利用されています。

砒素の代表的な化合物とその用途としては、以下のようなものがあります。

・三酸化砒素(別名「亜砒酸」):三酸化砒素は、無味無臭の白色の粉末または結晶で、ガラスの製造過程で気泡を消したり脱色するために用いられたり、ガス脱硫剤、木材の防腐剤、砒素や他の砒素化合物の原料、歯科医療で歯の神経を抜く際に使われる亜ヒ酸パスタ(歯髄失活薬)、シロアリ駆除などに使われています。
・アルシン:ニンニクに似た臭いをもつ無色透明の気体で、半導体の原料ガスとして使われています。

なお、1998年までに、すべての砒素系農薬は農薬としての登録が失効していますが、作物残留性が認められることから、食品衛生法に基づいて残留農薬基準が定められています。

<環境中での動き>

砒素の大気中への排出量の1/3は天然由来であると見積もられており、なかでも火山活動が主要な発生源となっています。大気中へ排出された砒素は、主に亜砒酸の形で粒子状物質に吸着して存在しますが、降雨などによって土壌や河川に降下すると考えられます。

水中へは、この他、鉱物から溶出したり、鉱泉、鉱山廃水などに含まれて排出される可能性があります。 砒素は、十分に酸素が含まれている水中や水底の泥の中では、五価(砒素塩)の状態で存在し、深い湖の堆積物や地下水など、酸素の少ない状態では、主として三価(亜砒素塩)の状態で存在します。 また、多くの砒素化合物は、土壌に吸着しやすい性質があります。このため、地下に浸透して地下水に溶け出した場合、汚染は広範囲には及びません。

ふっ素及びその化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.8mg/L 以下(ふっ素及びその化合物)
○土壌含有量基準: 4000mg/kg 以下(ふっ素及びその化合物)
○地下水環境基準: 0.8mg/L 以下(ふっ素及びその化合物)

<特徴・用途>

ふっ素は反応性が高いため、自然界ではさまざまな元素と結合した化合物として存在し、元素の形では存在しません。ふっ素化合物としては、水素と結合したふっ化水素や、カルシウムと結合したホタル石、ナトリウムとアルミニウムに結合した氷晶石があり、ふっそ化合物の中で生産量が多いのはふっか水素です。

ふっ化水素は、常温では無色透明の液体で、約20℃で沸騰して気体となります。水に溶けやすく、その水溶液であるふっ化水素酸は弱酸性を示します。ガラスや金属(金、プラチナを除く)などをよく溶かすので、この性質を利用して電球の内側のつや消し、ガラスの表面加工、ゴルフクラブのチタンヘッドやステンレス鍋などの表面処理などに使われたり、半導体製造プロセスにおいても半導体の表面処理剤などに使われています。

この他、ふっ素樹脂加工したフライパンなどのふっ素樹脂原料としても使われています。今日、最も需要が多いのは代替フロンの原料としての用途と考えられます。 なお、虫歯予防のために歯科医がふっ化ナトリウムを使用することがありますが、これはふっ素をカルシウムと結合させることで歯をより硬くさせ、虫歯予防効果をねらったものです。

また、ふっ化アンモニウムは、半導体を製造する際にシリコン酸化膜を除去する薬剤などとして使用されています。

<環境中での動き>

環境中では、主に水中に存在すると予想されています。ふっ素は水中ではイオンとして存在します。海域中には河川や湖沼中に比べて、比較的高濃度で存在しています。また、温泉水や火山地帯の地下水にはかなり高濃度のふっ化物イオンが含まれていることがあります。

ほう素及びその化合物

環境基準等

○土壌溶出量基準: 1mg/L 以下
○土壌含有量基準: 4000mg/kg 以下
○地下水環境基準: 1mg/L 以下

<特徴・用途>

ほう素は、自然界にも存在する元素で、植物の成長にとって必要な微量元素のひとつです。温泉水や海水中には比較的高い濃度で含まれています。ほう素の用途としては、住宅用の断熱材やガラス強化プラスチックに使うガラス繊維の原料が最も多く、そのほか液晶ディスプレイなどの特殊ガラスの製造や陶磁器のうわ薬などに使われます。

これらのガラス、陶磁器に含まれるほう素は溶け出すことはほとんどありません。また、量は少ないのですが、化学反応の触媒、ダンボールの接着剤、目薬、殺虫剤や防腐剤など、広範囲に利用されています。 ほう素の代表的な化合物とその用途については以下のようなものがあります。

・ほう酸は、無色透明または白色の粉末の化合物で水やアルコールに溶けやすい性質があります。身近なところでは、ゴキブリ駆除用のほう酸団子に使われています。
・ほう酸ナトリウムは、白色の固体です。家庭用品の中では、洗濯用漂白剤の原料などに使われたり、子供の遊び道具や理科教材としてつくられるスライムにも使われています。

なお、ほう酸やほう酸ナトリウムは古くから防腐薬、消毒薬として用いられてきましたが、やけどや傷ついた皮膚、粘膜から吸収されたときの毒性が指摘され、現在では、目の洗浄・消毒に限定して使用されています。

<環境中での動き>

ほう素は、人間の活動に伴う排出のほかに、岩石の風化、海水からのほう酸の蒸発、火山活動などによって環境中に放出されます。 自然環境中に広く存在していますが、環境中に放出された場合、主として河川や湖沼、海域に存在すると予想されています。

第3種特定有害物質:農薬類・PCB

シマジン
(別名 2-クロロ-4,6-ビス(エチルアミノ)-1,3,5-トリアジン、CAT、アクアジン)

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.003mg/L 以下
○地下水環境基準: 0.0031mg/L 以下

<特徴・用途>

常温で水に溶けにくい白色の固体で、除草に使われる農薬系の有効成分です。通常、水和剤や粒剤に製剤化されています。 シマジンは、雑草の根から吸収され、葉緑体の光合成を阻害して雑草を枯らします。

すぐに効果は現れませんが、その維持機関は長いとされています。幅広い雑草に効果があり、野菜や果樹などの畑やゴルフ場の芝地のほか、公園や家庭などでも除草剤として使われています。

<環境中での動き>

揮発性は低いとされています。 土壌へ排出されたシマジンはあまり移動しませんが、水はけのよい土壌では河川や地下水に移動する可能性がないとはいえません。

土壌の成分の違いなどによって分解する速度が異なりますが、半分の濃度になる期間は28~149日と報告されています。水中では加水分解されにくく、半分の濃度になる期間は平均で30日とされています。

チオベンカルブ
(別名 N,N-1-ジエチルチオカルバミン酸 S-4-クロロベンジル、ベンチオカーブ、ベンチオカルブ)

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.02mg/L 以下

<特徴・用途>

水に溶けにくい無色透明の液体です。主に水田の田植時の前後から2週間後に、ノビエ、マツバイなどの雑草を防除する除草剤の有効成分で、希釈剤や補助剤などと混ぜて、乳剤、粒剤などのさまざまな形に製剤化されています。水田以外にも、レタス、麦や大豆などが栽培される畑にも用いられています。

<環境中での動き>

水中に入った場合は、加水分解されにくく、主に微生物によって分解されると考えられますが、実際の河川では光によっても分解されることがあります。光分解されると、光分解されると、4-クロロ安息香酸、4-クロロベンズアルデヒドなどに変化します。

土壌へ排出されたチオベンカルブは、土壌に吸着して容易には水中へは移動せず、主に微生物によって分解されると考えられます。土壌中では、酸素が十分にある状態では2~3週間、酸素が少ない状態では6~8ヶ月で半分の濃度になると報告されています。また、土壌の表面では日光によって分解される可能性もあります。

チウラム
(別名 テトラメチルチウラムジスルフィド、チラム、ビス(ジメチルカルバミル)ジスルフィルド、TMTD)

環境基準等

○土壌溶出量基準: 0.006mg/L 以下
○地下水環境基準: 0.006mg/L 以下

<特徴・用途>

水に溶けにくい、常温で白色または薄い紅色の固体です。殺菌剤の有効成分として使われるほか、ゴムの加硫促進剤としても使われています。  開発当初は、穀類、野菜類、花き類の種子消毒剤として使われましたが、現在は豆類の立枯病、リンゴの黒星病、黒点病、ジャガイモの黒痣病や、ゴルフ場などの芝生の葉枯病の病害防除にも使われています。また、ネズミやウサギに対する忌避剤としても使われています。チウラム単独で、またはジラムなどの他の農薬と混合して、水和剤や粉剤に製剤化されています。

チウラムは、天然ゴムや合成ゴムの加硫促進剤としても使われています。加硫とは、原料ゴムに高い弾力性を与えるために、硫黄によって分子間の結合を強化させることですが、加硫は長い時間を要するため、加硫促進剤が添加されます。チウラムが用いられたゴムは、タイヤ、履物や電線などに使われています。また、家庭で用いられるネズミ忌避剤にも、チウラムを含むものがあります。

<環境中での動き>

大気中では化学反応によって分解され、約1時間で半分の濃度になると計算されています。水中に入っても、光によって分解されたり加水分解によって、分解されると考えられます。また、水中の粒子や水底の泥に吸着する可能性もあります。

土壌へ排出されたチラウムは、有機物に富む土壌では微生物によって分解され、酸性土壌では加水分解によって失われていきます。大気中へは揮発しません。水には溶けにくく、土壌中の粒子に吸着しやすいため、地下水は汚染しないと考えられます。土壌中では15日間で半分の濃度になると報告されています。

ポリ塩化ビフェニル(PCB)

環境基準等

○土壌溶出量基準: 検出されないこと
○地下水環境基準: 検出されないこと(定量下限 0.0005mg/L 以下)

<特徴・用途>

ポリ塩化ビフェニル(PCB)とは、正式にはポリクロロビフェニル誘導体の総称で、ビフェニル分子の水素原子を1~10個の塩素で置換したものです。置換している塩素の数や位置によって200以上の異性体が存在し、物理的性状も無色液体から樹脂状個体まで多様です。化学的に安定(酸・アルカリに冒されず、不燃性で加熱・冷却しても性質が変わらない)で、電気絶縁性に優れています。

主な用途は絶縁体、熱媒体、可塑剤、感圧紙などで、トランスやコンデンサに多く使われてきました。通常の燃却や微生物処理などによる分解は困難です。ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管、処分等については「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が別に定められています。

<環境中での動き>

土壌中では移動性は小さく、汚染拡散の程度は低いと考えられますが、化学的に安全で生分解性も低いため、長期間環境中に残留するとされています。

有機りん化合物
(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン)

環境基準等

○土壌溶出量基準: 検出されないこと

<特徴・用途>

有機りん化合物は、パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPNの4物質を指します。主に農薬(殺虫剤)として使用されています。パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトンは、毒物及び劇物取締法の特定物質に指定され、現在、製造、販売が禁止されています。EPNのみ製造が許可されています。

○パラチオン(ジエチルパラニトロフェニルチオホスフェイト):エチルパラチオンともいいます。DDT、BHCに次いで登場した強力な殺虫剤でしたが、急性毒性も強いために人の中毒事故が発生し、農薬としての使用が禁止されました。日本での農薬登録期間は1952年1月~1972年3月です。毒物及び劇物取締法(1950)の毒物及び特定毒物に指定されています。

○メチルパラチオン(ジメチルパラニトロフェニルチオフォスフェイト):有機リン系殺虫剤のひとつで、強力な殺虫剤でしたが、強い急性毒性をもつとして、農薬として現在使用が禁止されました。日本での農薬登録期間は1952年1月~1971年8月です。毒物及び劇物取締法(1950)の毒物及び特定毒物に指定されています。

○メチルジメトン(ジメチルエチルメルカプタンエチルチオホスフェイト):無色~淡黄色の油状の液体です。(安全衛生情報センター 製品安全データシートより)現在、製造、販売が禁止されています。日本での農薬登録期間は1956年6月~1974年5月です。((独)農薬検査所)毒物及び劇物取締法(1950)の毒物及び特定毒物に指定されています。

平成3年7月8日の中央公害対策審議会の答申「土壌の汚染に係わる環境基準の設立について」で有機りん化合物については、”溶出液中に検出されないこと”とされました。平成6年3月3日付けの環境庁水質保全局長通知「土壌の汚染に係わる環境基準についての一部改正について」では、水質環境基準から有機りん化合物が削除されましたが、その製造及び使用の状況を考慮するといまだ土壌汚染の可能性があるため、土壌汚染に起困した水質汚濁を未然に防止する観点から、土壌環境基準からは削除されませんでした。

<環境中での動き>

有機りん化合物は、水に溶け難く、汚染の広がりは比較的小さいと考えられます。土壌中での分解が早く、長期間高濃度に汚染されることも少ないと考えられています。

有機りん化合物(EPN)

環境基準等

○土壌溶出量基準: 検証されないこと

<特徴・用途>

o-エチル=o-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアートはEPNと呼ばれ、有機りん系殺虫剤の有効成分として農薬に使われています。水には溶けにくい淡褐色の液体で、常温では一部結晶化します。有機りん系殺虫剤の有効成分で、通常、乳剤、粉剤などの形に製剤化されています。淡赤色粉状製品もあります。

EPNは、1950年代の初期から、イネのウンカ類、ニカメイチュウ、野菜のアブラムシ類、アザミウマ類、ハダニ類などに対する殺虫剤として使われています。

<環境中での動き>

大気中では、化学反応によって分解され、5時間で半分の濃度になると計算されています。水中では微生物による分解は受け入れにくいとされ、水中の粒子などや水底の泥に吸着されて、除去されると考えられます。

土壌へ排出されたEPNは土壌粒子に速やかに吸着されます。土壌中では、加水分解と酸化によって分解されます。土壌の成分の違いなどによって速度が異なりますが、実際の農地を使った実験では2週間あるいは1ヵ月で半分の濃度になったと報告されています。

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