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つっちー

農薬には土壌汚染物質って含まれるんですか?農薬工場ではどんな土壌汚染物質が使われる可能性があるんでしょう?

さかい

農薬類というと、第三種特定有害物質の有機リン化合物、チウラム、チオベンカルブが思い当たるかたもいらっしゃるかと思います。この中には現在も農薬類として使用されているものもあれば、使用が廃止されているものもあります。そして、他にも製造時に該当する物質がありますので、整理していきたいと思います。

農薬工場で、「有害物質を含有する農薬原体を混合する施設」などの特定有害物質を使用等する特定施設を設置されている場合は義務調査になります。義務調査、自主調査のガイドブック無料冊子もできましたのでご参考になさってください。

まず初めに、土壌汚染対策法の第3種特定有害物質(農薬類)で指定されている物質をみていきたいと思います。

殺虫剤・農薬などに使われる有機リン化合物とは?

有機リン化合物とは、炭素−リン結合を含む有機化合物の総称なので、実は、多くのグループを指す言葉で全てが有害なわけではありません。例えば、DNAやRNAなど、身体の中の核酸や各種補酵素類の構成元素の一つでもあります。有機リン化合物は、農薬類だけではなく、難燃剤、可塑剤、殺虫剤、農薬等、さまざまな用途に使用されている物質です。

確かに、地下鉄サリン事件に使用された毒ガス「サリン」や、2008 年に中国製冷凍食品から検出された「メタミドホス」・「メチルパラチオン」も有機リン化合物で、一部の有機リン化合物は神経毒等の毒性を示すので、規制されています。有機リン化合物とう言葉が含む物質が多種にわたるので、毒性があるのは一部であることは気をつけたい点です。

土壌汚染対策法では、 パラチオン 、 メチルパラチオン 、 メチルジメトン 、 EPN の 4 物質のみが有機リン化合物の対象となります。有機リン化合物を含んでいても、これ以外の物質は対象ではありません。炭素と結合しない 無機リン化合物 は、土壌汚染対策法の対象ではありません。農薬散布

パラチオン

化学式:C10H14NO5PS

殺虫剤・ダニ駆除薬の一つ。強い殺虫作用をもつ有機リン酸エステル系の農薬。強い急性毒性をもつとして、2005 年の時点で日本、EU 等 18 か国以上で使用禁止されました。現在、「毒物及び劇物取締法における特定毒物」に指定されていて、製造および使用が禁じられています。
(水中での半減期は14日以内とされている。土壌残留期間(75%~100%消失期間):7日 国立環境研究所HPより)

メチルパラチオン

化学式:C8H10NO5PS

パラチオンと同じく農薬、殺虫剤の一つ。毒性は、パラチオンの1/3であるが、こちらも強い急性毒性をもつとして、農薬としての使用が禁止されました。世界中のほぼすべての国で販売と輸入が許可されていません。2008 年中国製冷凍食品から検出されて報道された。

メチルジメトン

化学式:C6H15O3PS2

ダニ、アブラムシ等に対して殺虫剤の形で使用されてきました。現在、その高い毒性により農薬の指定からはずされ毒物及び劇物取締法において特定毒物に指定されています。
(水中での半減期は14日以内とされている。 国立環境研究所HPより)

さかい

ここまでは現在は使用販売が取り消されている農薬についてみてきました。ここからは現在も使用されている農薬類になります。

EPN

化学式:C14H14NO4PS

正式名称は、O-エチル=O-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアート。有機リン系殺虫剤として稲、小麦、野菜などで利用されている物質です。
( EPNの半減期は、畑地状態で3-10日 35-60日、 水田土壌で4-6日と水田土壌での湛水状態で分解が早い
国立環境研究所HPより)

チオベンカルブ

化学式:C12H16ClNOS

クミアイ化学工業が開発した除草剤です。

1969年に農薬登録されました(商品名は「サターン」)。主に水田やレタス畑の殺虫剤、一年生雑草に対する除草剤として使用されています。オーキシンの活性阻害やタンパク質(ジベレリン誘起α-アミラーゼ生合成)合成阻害の効果を持つ薬剤です。
(チオベンカルブの水中半減期は、4~6日とされている。野外での水田では約14日。ラボ条件では、~100日。
国立環境研究所HPより)

チウラム

化学式:C6H12N2S4

ジチオカーバメート系の殺菌剤、あるいは鳥に対する忌避剤として農薬用途で広く用いられている化合物です。開発当初から、穀類、野菜類、花き類の種子消毒剤として使われており、種子の殺菌剤として塗布されている。

現在は農薬(麦類,タバコ,リンゴ,芝生の病害の殺菌剤)など、豆類の立枯病、リンゴの黒星病、黒点病、ジャガイモの黒痣病や、ゴルフ場などの芝生の葉枯病の病害防除にも使われている。また、ネズミやウサギに対する忌避剤としても使われている。
(チウラムの半減期は、~1日程度 環境省HPより)

さかい

ここまで、土壌汚染対策法で第3種特定有害物質の農薬類に含まれる物質を確認してきました。ここからは、それ以外で、農薬工場で土壌汚染の可能性のある物質について確認していきたいと思います。

その他で、農薬工場で土壌汚染の可能性のある物質

ベンゼン

ベンゼンは、農薬の合成原料として使用されている可能性があります。例えば、植物ホルモンであるオーキシン様の作用を持つために植物ホルモン剤としても使用されたり、水田の除草剤として使用される2,4-ジクロロフェノキシ酢酸は、クロロ酢酸と 2,4-ジクロロフェノールの反応から合成されますが、このフェノールはベンゼンから合成されます

フッ素

フッ素は、環境への影響がマイルドであることから、農薬類にも多く使用されています。農薬散布
名古屋工業大学の研究グループは、「公益財団法人相模中央化学研究所の平井憲次副理事長、小林修副主任研究員らと共同で、世界中に存在する 2500 以上の農薬を全て解析し、その中に含フッ素物質が 424 剤存在することを見出しました。最近 20 年間では、開発品の 5 割以上が含フッ素物質であることを突き止め、今世紀に入りフッ素の需要がますます伸びていることがわかりました。フッ素系農薬はそれらの物性から「除草剤&殺菌剤」と「殺虫剤&殺ダニ剤」の2つのグループに分類出来る」と発表しています。

ホウ素

ホウ素は、植物の微量要素です。主に植物の細胞壁を構成する成分で、根や新芽の生育を促進したり、細胞分裂や受粉に関わります。アブラナ科野菜などでは必要なホウ素の量より土壌に自然に含まれるホウ素の量が少ないため、微量要素の中では比較的欠乏しやすい成分です。ホウ素を補うために、肥料にホウ素を加えた液肥などが製造されています。逆に過剰になると葉の縁が黄色や茶色に変色します。また、ホウ酸団子などよく知られていますが、殺虫剤や防腐剤などにも使われます。

水銀

水銀含有農薬は、現在は使用が禁止されています。昭和48年から使用が禁止されたのですが稲の「いもち病対策」と錠剤の「種子消毒・土壌殺菌用」として使われていました。

現在保管している水銀含有農薬は、早期に適正な処分が求められています。

ジクロロメタン

最後にジクロロメタン。こちらは製造過程ではありません。農薬類の標準検査に使われる物質で、農薬工場で検査を行なう際に使用される可能性のある物質になります。

農薬類の標準検査方法として、固相抽出-GC-MS 法、LC-MS 法等が厚生労働省から通知されていて、固相抽出-GC-MS 法では固相カラムに試験溶液を通水し、ジクロロメタンで溶出、濃縮後に GC-MS で測定することになっています。ただし、ジクロロメタンは環境や人体への影響もあることからジクロロメタンを使用しない試験方法の開発が求められており、ジクロロメタンを使わない、例えばヘキサンとアセトンの混合溶媒を用いた分析方法の検討なども進められています。

検査以外に、研究なども実施されている農薬工場の場合は、研究されている内容によって試薬などで他の土壌汚染物質も使用する可能性はあります。

さかい

農薬・農薬工場で可能性のある土壌汚染物質を確認してきました。すでに廃止されているもの、物質によっては製造で使用している工場が限られるものもあります。ご不明な点等、お気軽にご相談ください

農薬工場で、「有害物質を含有する農薬原体を混合する施設」などの特定有害物質を使用等する特定施設を設置されている場合は義務調査になります。義務調査、自主調査のガイドブック無料冊子もできましたのでご参考になさってください。

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