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土壌汚染調査の株式会社ジオリゾーム

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つっちー

窯業(ようぎょう)って、陶磁器・ガラス・セメント・レンガとか色々なものがあるんですね?

さかい

そうなんです。窯業は、”窯(かま)”を使用して非金属原料を高熱処理して作るものを製造する工業を言います。ここでは、陶磁器と釉薬で可能性のある土壌汚染について詳しく見ていきたいと思います。ガラスの製造工程についてはこちらのページをご覧下さい。

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窯業(陶磁器・焼き物)と土壌汚染

窯業とは土器の焼き物やセラミック等、またはガラスやレンガの製造を行っている業種です。高温で熱する工程があるので、窯業(ようぎょう)といわれています。
では、陶器の製造に土壌汚染を引き起こすような汚染物質が含まれているのかということになりますが、主に見つかりやすい汚染物質としては、重金属類です。陶器への色付けや模様付けに使われる釉薬(ゆうやく)には自然由来のものもありますが、重金属類を使って着色する釉薬があります。

釉薬の役割と原料

つっちー

そもそも釉薬とは何でしょうか?

釉薬とは陶磁器の表面に付着したガラスの層のことです。「うわぐすり」ともいいます。
釉薬は素焼きの後に施釉(せゆう:釉薬を塗ること)します。本焼きをすると釉薬が高温で熔けて、陶磁器の表面でガラス質になります。

釉薬の役割

装飾・・・多種多様な色・釉調を表現することができます。
強度・・・ガラスでコーティングしてより丈夫になります。
汚れにくい・・・水・汚れを吸収しにくくなります。

釉薬の原料

釉薬・うわぐすりの原料は、地殻の中から採掘した鉱物や岩石などを選鉱処理した原料(天然原料)と、天然原料から特定成分だけを抽出分離して、純度を高くした原料(人工原料)とに分けられます。
天然原料…長石、陶石、カオリン、土石、含鉄土石原料など
人工原料…各種酸化金属や炭酸塩金属などの工業製製品

釉薬の三つの成分

1.骨格となる成分(珪酸、アルミナ分)・・・長石、粘土、珪石など
2.熔ける温度を調整する成分(アルカリ分)・・・ソーダ、カリ、石灰など
3.色をつける成分(金属類)・・・鉄、銅、マンガン、コバルトなど
そして、作りたい釉薬が何℃でどのような色と性状(艶のある・なしなど)なのかを 考慮して調合します。

釉薬で使用される重金属類(無害)

さかい

ここから、主に窯業の焼き物や陶磁器に使う主な金属類(着色原料)の特徴と主な発色についてお話しします。こちらは無害の物質です。

鉄化合物(Fe)

酸化鉄、弁柄、鉄分を含む土石等を用いて着色。
添加割合や、種類、還元雰囲気により全釉薬の種類で7割前後は、鉄が何らかの形で関わりを持っている。
黒、飴、赤、黄、茶、緑灰、青灰など、多様な発色が得られる。

銅化合物(Cu)

代表的な釉薬は織部。
酸化焼成では、アルカリが多い釉では青色、鉛釉や高温の灰釉・石灰釉では緑色に、還元焼成では赤・紫の色合いが得られる。
おもに酸化銅、炭酸銅からとる。

コバルト化合物(Co)

青から青紫色を呈する。
結晶釉では、ピンク色の結晶斑が析出する。
酸化コバルトを使う。

マンガン化合物(Mn)

飴釉など鉄を用いる釉の色合い調整に用いる場合がある。
添加量の割合が多いと、黒茶マットとなり金属質の光沢がでる。
鉄と併用してゴスの色合い調整等にも用いる。
酸化マンガン、炭酸マンガンを使う。

クロム化合物(Cr)

酸化クロム(Ⅲ)を使う。高火度釉薬では、緑、クロム青磁など発色が強いので添加量を少なくして釉薬に用いる。

ニッケル化合物(Ni)

多様な色合いを呈するが、呈色が不安定なためにあまり実用的な釉薬になりにくい場合がある。
塩基成分との兼ね合いで褐色、緑、青、ピンクなどに発色する。
酸化ニッケルを使う。

乳濁剤

うわぐすりを乳濁させたり、着色原料と併用して用いたるすることで、特殊な発色を得ることに効果がある。
乳濁作用には、2種類がある。
・釉中懸濁による発色するもの(酸化スズ、硅酸ジルコニウム)
・分相現象により発色するもの(燐酸カルシウム、酸化チタン、ルチール、骨灰)
※乳濁剤を選ぶ場合の基礎釉薬との相性を考慮する必要があり。

つっちー

ここに出てきた重金属類って、土壌汚染物質じゃないような?

さかい

そうですね。クロムについても釉薬として使われるのは酸化クロム(Ⅲ)ですので、土壌汚染の特定有害物質の六価クロムではありません。このように、身体に安全な釉薬が使用されるように変わってきています。

釉薬で使用される重金属類(特定有害物質)

さかい

陶磁器で使う釉薬(着色料)で、使われる安価で手軽(低温で処理)に使える原料として鉛・カドミウムがあります。

鉛(Pb)

鉛は釉薬(フリット)や粘土に含まれる物質で、過去には上絵付にも使われてきました。焼物業界では普遍的に使われている。最近は鉛の有害性が問題視され、鉛を使用しない無鉛フリットというものが開発・使用されていることもあります。

主な問題点

基本的には上絵の絵付けと釉薬の焼成温度の問題です。もともと鉛は価格が安く、焼成温度が低くても発色が綺麗なので使用されてきました。
・国産の食器に使われる顔料はかなり厳しい規制があります。大手の洋食器のメーカーの製品は、顔料そのものが害のないものになっています。
鉛毒で苦しんだ九谷焼も現在は無鉛の顔料になっている。九谷焼の上絵は綺麗ですが、決して高い温度での焼成ではなく、そのため鉛毒では随分苦しみ、研究を重ね現在は無鉛になっています。

問題になるのは釉薬の上に絵付けを施す、色絵、金彩などです。
染付の絵付け、柄のない無地なら全く問題ありません。
窯から出荷の折に鉛毒検査がなされていて、法律に定められた方法により検査があり、これをクリアしない限り出荷は出来ません。
さらに、デパート等の店頭で抜き打ちでサンプルの抜き取り検査があり、問題があれば、即、店頭から撤去されます。

釉薬に使われる鉛について

充分な高温で焼成すれば、有毒物質が溶け出すことはないのですが、温度が低いといわゆる「生焼け」状態になり、シッカリ定着せず溶け出すようです。焼成温度が問題なのでしょう。
およそ有田の磁器ではほとんど問題にならないレベルです(有田焼の場合、施釉してからの焼成温度は1,300度、上絵は800度)。
食品衛生法により鉛の溶出規制値が設けられており、現在生産されている食器は安心してお使い頂けます。
(参考HP:うつわ処 七五郎より

カドミウム(Cd)

カドミウムは顔料に使われていることが多い物質です。特にカドミウムレッドという顔料は非常に鮮やかな赤色を呈するため、依然として使用されていることがあります。

その他、ホウ素、ふっ素、セレン、砒素も釉薬として使用される可能性のある物質になります。

国立医薬品食品衛生研究所による鉛・カドミウムの規制について

食器の鉛害が問題になったことから、2008年には基準が改正され現在、陶磁器やおもちゃ、調理器具等に含まれる鉛・カドミの基準は厳しいものに変更されています。

 

つっちー

釉薬で使われる重金属類と一言でいっても、特定有害物質のものとそうでないものと沢山あるんですね。ご質問、ご相談はお気軽に

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