金属加工工場では、どんな時に土壌汚染物質が使われているんでしょうか。
土壌汚染調査の内容と費用、自主調査、義務調査の土壌汚染調査で気をつけるポイントを詳しくまとめた無料冊子ができました
金属加工工場で使用される土壌汚染物質とは?
金属加工工場の土地を売買等しようとするとき、気をつけないといけないのが土壌汚染の可能性(特定有害物質を使用していたかどうか)です。
工場の工程には
①金属プレス や 切削・研磨作業
②メッキ 作業
③塗装作業などがあります。
①②の際に「脱脂、油落とし、洗浄」などを行う工程が伴います。この、「脱脂、油落とし、洗浄」でトリクロロエチレン(トリクレン)を使用されていた工場は、義務調査が必要になってきます ので注意が必要です。
※ 揮発性有機化合物は深くまで浸透しやすい物質です。
作業の種類 | 汚染の可能性のある場所 | 作業工程やその周辺で検出される主な特定有害物質 |
①金属プレスや切削・研磨作業 |
①脱脂、酸洗い、切削加工、塗装 |
①脱脂工程: 1・1-ジクロロエチレン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン ②酸洗い工程: ふっ素 ③焼入れ工程: シアン ④切削加工工程: カドミウム、六価クロム、ほう素、(金属合金材料に含まれる) 砒素、鉛(非鉄金属材料に含まれる) ⑤塗装工程: カドミウム、六価クロム、鉛 |
②メッキ作業 | ①メッキ槽とその周辺(オーバー フロー、土間にひび割れ、耐酸性 床になっていない等)②配管、ホ ース(破損によるメッキ液、廃液 の飛散、地中配管は目視ができな い、特に継ぎ目)③排水処理装置 周辺、側溝等(地下浸透対策がな いと、たやすく土壌に浸透してし まう)④設備改修工事時の養生不 足による液漏れ ⑤材料置場、廃 棄物置場、排気口へのミストの飛 散 |
①脱脂工程(前処理)および水切り乾燥(後処理) トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタ |
③塗装作業 | 塗装の顔料には、重金属類が含まれていて、そのなかに含まれている特定有害物質は、 砒素、セレン、カドミウム、水銀、六価クロム、鉛 などがある。 |
※メッキ作業では排水を伴う工程が多いため要注意です。
これらの特定有害物質全てが必ずしも金属加工工場で使用されているわけではありませんが、可能性のある物質として挙げさせて頂いています。
土壌汚染状況調査は義務?
環境確保条例が制定されている東京都の例を挙げさせて頂きます。
※東京都以外の場合にも、有害物質を使用し行政へ届出ている場合は基本的に義務調査となります。
土壌汚染状況調査に関する義務
(行政に、特定施設の設置や条例で特定有害物質の使用等を届出ている場合)
1.どんな時に?
(1)工場を廃止または建替えるとき
(2)脱脂槽や洗浄槽等を撤去、更新するとき
2.どんな物質が対象か?
過去を含め、金属加工の前処理や後処理で「脱脂」「油落とし」「洗浄」等を行っていた工場で「使用して
いた」または「使用している」溶剤の成分で対象となる主な有機塩素系の特定有害物質がそれにあたる。
(メッキ作業や塗装作業も一緒に行われており、他の有害物質も使用されている場合はそれらも対象とな
ります。)
3.どんなことを行う必要があるか?
(1)土壌汚染の有無を確認するため、土壌汚染状況調査の実施と行政への報告
(2)調査の結果、基準を超えた場合には汚染対策又は拡散防止の実施と行政への報告
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