神奈川県は、土壌汚染対策法以外に、“さらに”条例で土壌汚染調査が必要なときがあるって聞いたんですけど・・・
そうなんです。神奈川県では、「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」が定められていて上乗せ事項が加えられているので注意が必要です。
「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」について、詳しく、図も交えながら説明していきます。
義務調査の土壌汚染調査について、気をつけるポイント、調査の流れや内容、期間などを詳しくまとめた無料冊子もご参考にしていただければと思います
「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」の概要
2022年3月30日に確認した情報です。
神奈川県条例で定められている土壌汚染調査についてのポイントは、主に4つあります。
- 条例の規制対象物質に、ダイオキシン類も含まれます。
- 対象となる、特定有害物質使用事業所・ダイオキシン類管理対象事業所とは?
- 事業所を廃止しようとするとき、形質変更をする時に調査が必要です。
- 土壌汚染が判明した場合に、地下水への影響の調査が必要です。
1つずつ、具体的に確認していきたいと思います。
①条例の規制対象物質に、ダイオキシン類も含まれます。
特定有害物質26種類+ダイオキシン類条例で定められている規制対象物質は、土壌汚染対策法で定められている特定有害物質 26 物質に加えてダイオキシン類が定められています。計 27 物質です。
物質の詳細と基準値はこちらをご参考にしてください
②対象になる、特定有害物質使用事業所・ダイオキシン類管理対象事業所とは?
- 平成 10 年4月1日(条例施行日)以降に、特定有害物質を製造し、使用し、処理し、又は保管する事業所
*ただし、平成 10 年4月1日以降に特定有害物質を使用等していなくても、それ以前に特定有害物質を使用等していて、平成 10 年4月1日以降も当該事業者(相続又は合併含む)が土地を所有等している場合は特定有害物質使用事業所とみなされます。
- 平成 16 年 10 月1日(改正条例施行日)以降にダイオキシン類対策特別措置法第2条第2項に規定する特定施設(一定規模以上の廃棄物焼却施設等)を設置する事業所
*ただし、平成 16 年 10 月1日(改正条例施行日)以降に特定施設を設置していなくても、それ以前に設置していて、平成 16 年 10 月1日以降も当該事業者(相続又は合併含む)が土地を所有等している場合はダイオキシン類管理対象事業所とみなされます。
③事業所を廃止しようとするとき、形質変更をする時に調査が必要です。
対象の事業所を廃止するとき
神奈川県生活環境の保全等に関する条例 第 59 条第3項 第 63 条の2第2項、第 63 条の3
特定有害物質使用事業所・ダイオキシン類管理対象事業所の事業者が、事業所を廃止しようとするときに土壌汚染調査が義務付けされています。
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対象の事業所の土地の形質変更をするとき
②の事業所では、条例では面積にかかわらず、以下の場合は土壌汚染調査が必要となります。
(土壌汚染対策法に該当する、「有害物質使用の特定施設を設置している土地での900㎡以上の土地の改変」、「3000㎡以上の土地の改変」は法での調査対象となります。)
- 形質変更する範囲が「汚染土壌が存在するおそれがないことが明らかな土地」に該当しない。
(過去から現在まで緑地であるなど、就業中の従業員が立ち入らない場所が、「汚染土壌が存在するおそれがないことが明らかな土地」になります) - 上記のケースのうち、以下のすべてに該当する場合は、調査が不要になります。
1. 形質変更する範囲が、第一種特定有害物質の汚染のおそれがない
(形質変更する範囲で、第一種特定有害物質の使用はしていなくても、同敷地内で使用している場合、就業中の従業員が立ち入る場所は汚染のおそれはあるもしくは少ないとなり、「おそれがない」とはならないのでご注意ください。行政へ確認いただくのが確実です。)
2. 掘削した土壌を搬出しない
3. 土壌を掘削する深さまで帯水層が存在しない
4. 掘削した土壌の飛散、流出その他の土壌の掘削に起因した公害を防止するために必要な措置が講じられること。
*調査が不要である「汚染土壌が存在するおそれがないことが明らかな土地」であることを示そうとすると、地歴調査が必要となるケースも考えられます。
④土壌汚染が判明した場合に、地下水への影響の調査が必要です。
神奈川県生活環境の保全等に関する条例 第62条の2
神奈川県では、土壌汚染対策法に基づく調査、もしくは条例に基づく調査で土壌汚染が判明した場合、地下水への影響の調査を実施し、調査結果を報告するよう定められています。
地下水の影響は、ボーリング調査やモニタリング調査を行います
内容のご不明な点やご質問については、お気軽にお問合せください。
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神奈川県では、県の条例だけでなくて、市独自の条例がさらにあるらしい・・・。続いては市の条例です。
市の条例
神奈川県内では、県の条例の他にも各区で条例が制定されている自治体がありますので、注意が必要です。
横浜市
2022年3月30日に確認した情報です。
横浜市では、「横浜市生活環境の保全等に関する条例」が定められています。以下の場合に、土壌汚染調査が必要となります。
注意!
横浜市内では、「横浜市生活環境の保全に関する条例」が適用されます。
神奈川県生活環境の保全等に関する条例は適用されません。
横浜市生活環境の保全等に関する条例
- 市条例で定める「特定有害物質使用等事業所」において、「事業所」を廃止したとき(土壌汚染対策法の対象を除く)(第64条の2)
- 市条例で定める「ダイオキシン類管理対象事業所」において、「事業所」を廃止したとき(第70条の2)
- 2,000平方メートル以上かつ、3,000平方メートル未満の土地の形質の変更(第65条)
- 「特定有害物質使用等事業所」の土地の形質の変更(面積要件なし)(第65条)
- 「ダイオキシン類管理対象事業所」の土地の形質の変更(面積要件なし)(第70条の3)
ご質問や内容については、お気軽にお問い合わせください。
川崎市
2022年10月18日に確認した情報です。
横浜市では、「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例 」が定められています。以下の場合に、土壌汚染調査が必要となります。
注意!
川崎市内では、「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例」が適用されます。
神奈川県生活環境の保全等に関する条例は適用されません。
特定有害物質等(特定有害物質+ダイオキシン類)を製造、使用、保管、処理等していた事業者は以下の場合に調査が必要です。
- ・事業所の移転または廃止
・事業所の敷地、その跡地の再開発等
・土地所有者の変更(相続合併を除く)
の場合に地歴調査が必要です。(第81条)
地歴調査で、汚染のおそれが認められる場合は表層調査の土壌汚染状況調査の実施が必要です。 - 敷地内の建設工事等により事業所の敷地外に土壌を搬出する機会(第81条)
地歴調査で、汚染のおそれが認められる場合は表層調査の土壌汚染状況調査の実施が必要です。
ご質問や内容については、お気軽にお問い合わせください。
その他の区について
神奈川県内のうち、以下の区町村については、区独自の条例は定められていません。土壌汚染対策法と神奈川県生活環境の保全等に関する条例に従って、調査が進められます。
下記市町村には、土壌汚染担当窓口が設置されています。
2022年3月30日に確認した情報です。
横須賀市
相模原市
平塚市
藤沢市
小田原市
茅ヶ崎市
厚木市
大和市
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神奈川県は、土壌汚染対策法+神奈川県条例、さらに市の条例もあって。。。大変だ。ご不明点はお気軽にご相談ください