簡単に整理すると、以下のようになります。この記事では、土壌汚染調査のそれぞれのフェーズ調査について、内容と期間、費用について詳しくご説明していきます。
- フェーズ1:地歴調査 =汚染リスク調査 主に書類上の調査。
- フェーズ2:表層土壌調査(概況調査とも言う)・絞込み調査 =表面の土壌の汚染の有無の調査
- フェーズ3:詳細調査(ボーリング調査) =汚染の深さの調査
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フェーズ1:地歴調査、土地履歴調査
フェーズ1調査で調査する書類とは?
フェーズ1とは、地歴調査や土地利用履歴調査と言われてます。業界では地歴調査や地歴といわれてます。このフェーズ1(土地利用履歴調査)は、対象地の過去~現在までの土地の利用履歴などを調べて、土壌汚染リスクの可能性を調べます 。土壌の採取分析などはしませんので、あくまで書類上でのリスク調査になります。
では、どうやって調べるのかということですが、皆さんであればどのように調べますか?最近ではグーグルマップなどでも過去に建屋があったのかなどを調べられたりしますね。
登記簿・地形図・住宅地図・空中写真での調査
フェーズ1の土地履歴調査(地歴調査)では、登記簿を用いて土地の持ち主を調べたり、住宅地図や空中写真で住宅や畑だったのか、工場だったのかなどの利用履歴を調べます。

不動産の過去の履歴については、住宅地図をさかのぼって調べるとどんな名称の工場だったのかを知ることができます。また過去までさかのぼり工場などの履歴がなく、畑や林などであれば、人為的な土壌汚染はないと判断することも可能です。
工場の履歴があった場合にも名前からおおよその業種を把握し、どんな有害物質を使用していたか、もしくは使用していた可能性があるのかを絞り込むことができます。そして空中写真で実際に建屋があるのかどうか、何時から何時まで工場が立っていたのかなどを把握することができます。もしくは住宅地図がない時代の情報を得ることができます。
ヒアリング調査、現地調査
また、直近に工場などの履歴がある場合には、事業主の方へどんな作業を行われていたのか、どんな薬品を使っていたのか、どこで使用し、どこに保管していたのかなどをヒアリングをおこないます。
特定施設の届出書類等
特にこちらは、義務調査の場合になりますが、特定有害物質の使用等がある場合は、水質汚濁防止法や下水道法、または条例等で届け出ている書類についても調査します。届出書類には、何の特定有害物質を使用していたか、使用箇所、排水経路などの記載がありますので、その情報を調べてまとめることになります。
また、使用されていた薬剤等のSDSも調査して、使用していた薬剤に特定有害物質が含まれていたかどうかを詳しく調べます。

地歴調査の各書類(住宅地図・空中写真・公的届出書類など)の調査について、もっと詳しく、「地歴調査とは?」のページで紹介していますので、ご覧ください。
地歴調査で、土壌汚染が分かるの?
地歴調査で、土壌汚染のリスクははっきり分かるの?という声が聞こえてきそうですね。確かに実際の対象地の土壌や土壌ガス、地下水などの汚染物質を調べているわけではないので、結論から言うと白や黒と言い切ることはできません。
実際にわかるのは汚染の可能性のみで、実際に土壌を採取し、調査を行わなければ、汚染の有無を判定することはできません。しかし、もっとも簡単に土壌汚染の可能性を把握をすることができる方法です。
本来、土壌汚染調査の中でフェーズ1(地歴調査)というのは、実際に土壌の試料採取を行う前段階で行われるものであり、工場内のどの施設で土壌汚染に係る物質を使用していたのか、どんな形状のものを使用していたのか、有害物質の処分方法、配管はどこを通り廃棄場所へと行くのか等、多岐にわたっての有害物質の知識や土壌汚染の知識が必要となってきます。
これらの情報をすべて活用して、土壌汚染が引き起こされている可能性を判断します。繰り返しますが、フェーズ1については現地で土壌を採取することはなく、資料を確認し汚染のリスクの調査を行うこととなります。
フェーズ1調査を行うメリット
フェーズ1調査(地歴調査)を行うメリットは、対象地がどんな使われ方をしていたのかを戦前までさかのぼって知ることができ、土壌汚染のリスクを最も簡単に低コストで把握できる、ということがあります。
また、工場等がある場合については、土壌汚染調査で調査の対象となる土壌汚染物質を絞り込み、さらに使用していた範囲などを絞り込むことで、試料採取を含む調査自体に係る費用を削減しコストダウンさせることを目的として行うこともあります。
東京都の住宅地など小さな敷地に関して言えば、地歴調査は行うことなく、土壌採取を行うこともあります。ケースバイケースですね。
民家だったのか、工場だったのか、畑だったのかを知ることができるだけでも安心感が得られますね。
フェーズ1調査(地歴調査)について、よくいただくご質問や使い方についてはこちら
フェーズ1調査(地歴調査)の費用
続いては、地歴調査の費用についてです。
費用は、
自主調査の場合概算で10万円程度~、
義務調査の場合、概算で60万円程度~とお伝えしておりますが、自主か義務か、簡易タイプでよいのか詳細タイプが必要かによって、費用の開きがあります。
| 地歴調査(フェーズ1)の費用 | 費用相場 |
| 自主調査(簡易タイプ) | 約10万程度~ |
| 自主調査(標準タイプ) | 約15万程度~ |
| 義務調査 | 約50~60万程度~ 規模によっては100万円程度~ |
対象の土地において地番数が多い場合、面積の広さ、また義務調査の場合は、工場の規模、使用されている物質の種類の多さ、行政対応の有無等により大きく増減します。
フェーズ1調査(地歴調査)の内容や費用については、下記のページで詳しく紹介していますのでご覧ください。
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フェーズ2:表層土壌調査(概況調査)

フェーズ2調査とは?
フェーズ2は、実際に土壌や土壌ガスを採取して調べ土壌汚染が有るのか無いのかを調査します。概況調査と呼ばれたり、表層土壌調査と呼ばれます。実際に土壌を採取し、分析の結果が出ることから土壌汚染の有無が目に見える調査となっています。
ちなみに表層土壌調査では表層から50cmまでの土壌試料と、土壌中のガスを採取します。そこで土壌汚染となる物質(特定有害物質と言います)が基準値を満たしていれば、土壌汚染の無い土地と判断できます。
フェーズ1とは違い、実際に土壌等の試料を採取しますので、土壌汚染の現状を把握することができます。
例えば、フェーズ1で「おそれ有り」と評価されたとしても実際に汚染があるのかどうかは土を分析してみないと分かりません。逆に、フェーズ1で民家等としてずっと使用されてきた土地であり「おそれ無し」と評価されていたとしても、家を建てる前に盛り土のために外から持ってきた土に土壌汚染があった、というケースもあります。実際に、汚染があるのか否かを調査するのが、このフェーズ2調査の表層土壌調査となります。
フェーズ2調査(表層土壌調査)の内容と費用については、こちらのページでさらに詳しく解説していますのでご覧ください。
フェーズ2調査方法(土壌ガス調査、表層土壌調査)
➀位置出し
事前に作成した地点配置図を基に、土壌採取を行う地点を出していきます。
埋設管等が確認される場合があるため、土地の所有者様等と確認しながら位置を出していきます。また、建屋内で行う場合は、梁等も加味しながら地点を決定します。
道路に面している場所や駐車場では車両・第三者との接触に注意しながら進めていきます。地点配置図通りに採取地点が決まることは中々ありません。その場で対応しながら地点を決めることで安全かつ丁寧に進めていきます。
②第一種特定有害物質(土壌ガス採取)
特定有害物質(土壌汚染物質)のうち、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)は、土壌中のガスを採取分析することで、平面的な土壌汚染の広がりを調査します。
埋設管等確認のうえ、地表に直径15~30mm程度で深度1mの孔を空けます。そこに土壌ガスを集めるための管を一定時間静置して、地中に存在する土壌ガスを採取します。そして、土壌ガス中の特定有害物質の量を測定します。

フェーズ2調査の土壌ガス調査について面積あたりの地点数や、調査日数などもっと詳しくはこちらのページで紹介しています。
③第二種特定有害物質・第三種特定有害物質(表層土壌の採取)
特定有害物質(土壌汚染物質)のうち、第二種特定有害物質(重金属類)と第三種特定有害物質(農薬類とPCB)は、土壌を採取分析することで、平面的な土壌汚染の広がりを調査します。
埋設管等確認の上、被覆部がある場合は除去し、表層(地表から5cm)の土壌と、5~50cmまでの深さの土壌を採取し、これら2つの深度の土壌をそれぞれ等量を混合して試料とします。

フェーズ2調査の表層土壌採取について面積あたりの地点数や、調査日数などもっと詳しくはこちらのページで紹介しています。
④復旧
土壌ガス採取も表層土壌採取もどちらも、穴を開けての採取となるので最後に復旧して採取作業終了となります。
被覆がない場合は、周囲の土壌や砂を用いて復旧していきます。被覆がある場合は、セメントを用いて復旧していきます。掘削しているため、穴の凹みでの躓きによる転倒等が無いよう丁寧に復旧します。
⑤分析・報告書作成
最後に、採取した土壌ガス、表層土壌を分析し、調査内容・分析結果を報告書にまとめます。
フェーズ2調査(表層土壌調査)の調査期間
実際に土壌を採取する調査の期間については土地の形状や建屋の有無にもよりますが、建屋がある状態ですと1区画(900平方m)で施工は1日程度。更地の状態ですと、2区画(1800平方m)で施工は1日程度となります。
次に採取した土壌を分析し、結果が出るのが、約2週間程度。分析結果を踏まえ報告書を作成するのに5日間程度となります。
開始から報告書の提出までおおよそ1カ月程度かかります。
フェーズ2調査の地点配置や、調査日数などの調査内容ついて詳しくはこちら
フェーズ2調査(表層土壌調査)の費用
最後によくご質問いただく、フェーズ2調査の費用についてです。
表層の土壌汚染調査の費用の目安は、東京近郊・大阪近郊の自主的な調査内容で、900㎡以内で約20万円~35万円程度、1800㎡以内で約45~60万円程度になります。
- 900㎡(一辺の長さが30m×30m)以内…約20万円~35万円程度
- 1800㎡(一辺の長さが30m×30mが2区画)以内…約45~60万円程度
*ただし、特定有害物質の使用履歴が有る場合や、現地状況の敷地の形状によって金額は異なります。
フェーズ2調査の費用は、面積、対象地の形状、調査する物質、自主調査なのか義務調査なのか、などで、大きく変動しますので、お気軽にお見積りをご依頼いただければと思います。
フェーズ2調査の面積あたりの地点数や、調査日数、費用などもっと詳しくはこちらのページで紹介しています。
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フェーズ3:詳細調査(ボーリング調査)
フェーズ3:詳細調査(ボーリング調査)とは?
フェーズ3調査は、表層土壌調査を実施して汚染が見つかった場合に、汚染の深さを調べるボーリング調査を指します。

第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)の土壌ガス検出があった場合には、10mのボーリング調査。第二種特定有害物質(重金属)・第三種特定有害物質(農薬類ひとPCB)の表層土壌での汚染が確認された場合には、5m~10mのボーリング調査を実施して、汚染の深さを確認します。
ボーリング調査で使用するマシン

10mのボーリングを行いますので、ジオプローブやエコプローブといった自走式のボーリングマシンを使用することが多くあります。
ただし、狭い場所や屋内で大型のマシンが入らない場合には、ハンドボーリングマシンという、人が支えるタイプのボーリングマシンを使って、ボーリングを行います。
工場内や、狭い店舗内などのボーリング調査も行っております。お気軽にご相談いただければと思います。
フェーズ3調査の費用
最後に、ボーリング調査の費用についてです。
ボーリング1箇所…20~80万円程度(分析費込み)
詳細調査の費用は、表層土壌調査の結果を踏まえて算出させていただきます。費用は、土壌汚染の広がりや汚染物質の種類によって大きく異なります。
ボーリング調査の費用は、
・分析する項目数によって、大きく変わります。
・地点数によって、1か所あたりの費用も大きくかわります。
かなり、変動が大きいものになりますので、お気軽にお見積りをご依頼いただければと思います。
フェーズ3調査の物質ごとの調査内容の違いや、費用などもっと詳しくはこちら
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浄化対策工事
もう一つ、
フェーズ3が、浄化の対策工事のことを指す場合もあります。
フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3という言い方が、土壌汚染対策法の用語ではないので、不動産会社さん等によって、意図するところが違う場合がございます。
会社さんによっては、フェーズ3は土壌汚染浄化対策工事です。ボーリング調査で汚染が見つかった範囲について、掘削除去などの土壌の入れ替えや、薬剤や微生物を用いて特定有害物質を健康被害の出ない濃度まで下げるなど、さまざまな対処法があります。

浄化現場
土地売買など、すぐに土地を動かしたい場合には掘削除去を希望されるお客様が多いですが、今後も同じ工場等で使用される場合には薬剤注入などお客様の希望に合った提案をしております。
土壌汚染調査のことに関してわからないこと、詳しく知りたいことなどありましたら、是非お気軽にジオリゾームにご相談下さい。
さて、ここまでフェーズ1、フェーズ2、フェーズ3のお話をさせていただきましたが、
中にはフェーズ0.8や、フェーズ1.5と呼ばれるような土壌汚染調査もあります。あくまでも自主的な調査の方法の一つです。
そんな細かいの?💦
と思われるかもしれませんが、考え方は簡単です。
フェーズ0.8(地歴調査の簡易版)
フェーズ0.8はフェーズ1(地歴調査)を簡易的に行うタイプの調査です。
フェーズ0.8はフェーズ1(地歴調査、資料等調査)で取得が必要な資料の内、住宅地図や登記簿など簡易的に入手が可能な書類のみを収集し、土壌汚染の可能性を調査します。
フェーズ1と異なる点としては、工場等の履歴がある場合に、土壌汚染の可能性がある有害物質の特定や汚染のおそれ(可能性)までは判断がつかないところです。また現地に行くことがない為、フェーズ1よりもお安く調査を行なうことが可能です。
実際の案件としては、不動産売買の際のスクリーニングとして活用されることが多い印象です。土地の購入者の方へ、「購入を検討されている土地はこのような利用をされていますよ」という説明材料というところですね。また不動産会社が、土地購入の検討をされる際に用いられる資料となります。
フェーズ1.5(表層土壌調査の簡易的な調査)
フェーズ1.5はフェーズ2(表層土壌調査)の簡易的な土壌汚染調査です。土壌汚染は気になるけど、実際にやろうとすると膨大な費用が掛かってしまうというケースに使用されます。簡易的に調査を行なうということで、色々なやり方が存在します。
- 広大な敷地の中で、敷地の東西南北と中央部にあたる地点でサンプリングを行う手法。
- 稼働中の工場の中で、土壌汚染の可能性が高いところを数か所サンプリングして、土壌汚染を部分的に調べる方法。
- 法律に基づいた調査を行なう前に、土壌だけではなく地下水の汚染を調査しておく方法。
- 報告書までは必要ないけど、土壌の分析のみ行ってみたい・・・。
etc・・・
フェーズ1.5では簡易的に行う調査という性質上、より詳しい土壌汚染調査をした際には結果が異なることがありますので、ご注意ください。
簡易土壌汚染リスク調査
ジオリゾームでは、フェーズ0.8やフェーズ1.5の調査を掛け合わせた、簡易土壌汚染リスク調査というサービスがあります。
土壌汚染調査を調べたい場所の情報をいただき、有害物質の種類を特定、汚染の可能性が高いと判断される場所を代表地点と定め、土壌汚染を簡易的に調査を行ないます。
- もともと工場があるような場所で、フェーズ0.8の資料も欲しいし、どうせなら土壌の分析結果も欲しいという場合。
- M&Aなどで土地を所有することになる場合。
- 今すぐに工場を廃止することは無いがいずれは移転などもあるという場合。
- ISOで土壌環境についても触れなければならないが、事前に調べておきたい場合。
など自主的な土壌汚染調査であれば様々な用途として活用することができます。土地売買に絡むような場合ですと土壌汚染調査を行い、買主様からのご納得をいただいたうえで、売買成立させておくことで、今後のリスク回避になると思われます。
ジオリゾームではお客様の要望に合致したご提案を心がけております。
土壌汚染のことで気になること、悩みごと、土壌汚染ってどうなの?など、様々なことをお問い合わせいただいております。どんな些細なことでも、ご相談下さい。
自主・義務調査の土壌汚染調査について調査の流れや内容を詳しくまとめた無料冊子ができました
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