こんにちは!
今日は染物工場における土壌汚染についてお話いたします。
染物と言えば、日本各地で行われている工芸でもあり、工業でもあります。
僕の地元、倉敷市児島ではジーンズの染色などが有名です。
*厳密には染物と染色は意味が異なるそうです。初めて知りました(笑)。今回は同一のものとさせて下さい(汗”)。
さて、そんな染物ですが、古来のものであれば、藍や茜、紅花など天然染料が使われていたようですが、現在では化学染料、合成染料がほとんどだと言われています。
染料の合成技術の進歩により、要望のある染料については、ほぼどんな色でも合成できることができるようです。すごいですね。
ですが、注意してください。染物工場では数多くの薬品が取り扱われています。
酸やアルカリ、金属塩媒染剤、次亜塩素酸、過酸化水素、有機溶剤などがあげられます。使用方法を間違えると重症につながるものが沢山あります。
その中で、土壌汚染になりうるものとして挙げられるものは金属塩媒染剤や有機溶剤にあたります。もちろん金属塩媒染剤や有機溶剤のすべてが当てはまるわけではありません。
金属塩媒染剤のクロム媒染剤有機溶剤であれば、パークロロエチレン(テトラクロロエチレン)、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等の使用がある場合、土壌汚染の原因となりえます。他にもふっ素やヒ素、ほう素、鉛なども染物や染色で懸念される特定有害物質となります。
(染色技術者のための染色化学:出典 J-stage 今田 邦彦)
もちろんすべての染物工場が特定有害物質を使用しているわけではありません。
以前お問い合わせのいただいた際に工場で使用されている薬品の安全データシートを拝見させていただいた際には、特定有害物質は一切含まれていないことがありました。ただし、特定有害物質以外にも酸やアルカリ、次亜塩素酸など十分危険なものは、置いてあります。
特定有害物質とは危険性の分類が違いますが、毒物、劇物とされる薬品は数多くありました。もちろん工場内では厳重に保管、管理されているものです。
話がそれてしまいましたが、染物工場での土壌汚染調査については、
・第1種特定有害物質(揮発性有機化合物)
・第2種特定有害物質(重金属類)
が対象となるケースがほとんどです。
工場を廃止しなければならない時に、行政から調査命令が下ることもあります。
行政へ届出を出す前に、自主的に土壌汚染があるのかないのかだけでも調査をすることをお勧めいたします。
どの程度の費用が必要なのかなど気になる部分がありましたら、お気軽にジオリゾームまでお問い合わせください。ジオリゾームでは、土壌汚染調査専門のスタッフが対応いたします。お待ちしております!
森上
2025年4月18日更新
染物の中で使用される有害物質の中で、
土壌汚染対策法に関連するものが、
どういったものかをご紹介いたします。
■カドミウム
カドミウム化合物は黄色やオレンジ、赤などの
暖色系の着色材として使われていました。
■鉛
鉛は様々な重金属と化合物を形成することが出来、
黄色などの暖色系の着色料や、
他の用途としてはさび止め剤、水道、はんだなど
様々な工業用途として使用されていました。
■水銀
水銀は昔から塗料や顔料として利用されていたものです。
辰砂と呼ばれるもの朱色のや、お化粧用のおしろいにも
含まれていたとされています。
■六価クロム(ろっかくろむ)
六価クロムは革製品のなめしに用いられるものです。
着色としては黄色や赤黄色の等の色を持ちますが、
金属をメッキ処理する場合や、酸化剤など様々な分野で使用
されてきました。
重金属類にはさまざまな用途があり、
広い分野で工業的に利用されています。
現在では有害性のない代替品に代わっていき、
様々な国や地域で規制の対象となっています。
環境負荷の少ない製品を使用し、
後世にきれいな世の中を残していきたいですね。
ジオリゾーム
森上
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