みなさんこんにちは。
各条例についての説明を行っていますが、やはりメジャーな都市部からの説明を先にしないといけないと思いました。改めまして、本日は東京都の条例について説明したいと思います。
東京都も基本的に土壌汚染対策法と同じ内容になっておりますが、調査契機が若干異なります。一般の方が主にかかわる内容は下記の2つになります。
正式名称 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 (環境確保条例)
①有害物質取扱事業者が事業を廃止し、又は主要な部分を除却する場合(116条)
本条例の内容は指定作業場を廃止する場合に発動します。指定作業場とは都が認める工場で、印刷工場や鉄工所等も含まれます。
②)3000㎡以上の敷地内において土地の改変(土地の切り盛り、掘削その他土地の造成又は建築物その他の工作物の建設その他の行為に伴う土地の形質の変更)を行う場合(条例第117条)
本条例の内容は地歴調査を先行して実施します。調査の結果に基づき、土壌採取の有無を判断します。
各内容は土壌汚染対策法と若干異なります。
条例は難解な部分が多いと思われます。お気軽にジオリゾームへご相談ください。宜しくお願いします。
~~~~~2025年 4月14日追記~~~~~~~
東京都内の条例・調査契機について
お元氣様です。ジオリゾームの瀬戸と申します。
土壌汚染の義務調査には、土壌汚染対策法のみでなく、各都道府県での条例もあることをご存じでしょうか。実際に条例があるかどうかは各都道府県により異なりますが、関東であれば東京、神奈川、埼玉辺りが該当いたします。さらに、東京都内であると土壌汚染調査に関わる条例を、区の条例として個別に設けている区もあります。
そのため、今回は東京都の条例、および東京都内の区で個別に設けられている土壌汚染に関わる条例を解説していきます。
東京都
東京都であれば、東京都環境確保条例(正式名:都民の健康と安全を確保する環境に関する条例)が該当いたします。具体的な調査契機は下記になります。(東京都環境課HPより)
1.工場又は指定作業場の設置者で特定有害物質を取り扱い、又は取り扱った者(以 下「有害物質取扱事業者」という。)が、土壌汚染を生じさせ、当該汚染により、人の健康に被害が生じ、又は生じるおそれがある場合(条例第114条)
2.有害物質により地下水の汚染が認められる地域が存在する場合(条例第115条)
3.有害物質取扱事業者が事業を廃止し、又は主要な部分を除却する場合(条例第116条)
4.有害物質取扱事業者が指定作業場の敷地内を自主調査し、知事に報告する場合(条例第116条の2)
5.3000平方メートル以上の敷地内において土地の改変(土地の形質の変更並びに土地の切り盛り、掘削及び造成)を行う場合、又は土壌汚染対策法第4条第1項の要件に該当する土地の改変を行う場合(条例第117条)
特に116条、117条調査契機が多くお問合せいただきます。116条の調査契機については、東京都が定めている東京都環境確保条例で定めている指定作業場として届出をしている工場・作業場を廃業する際に注意が必要です。区にもよりますが、届出状況についてはHPや役所などで確認ができます。117条は、3000㎡以上の土地の形質変更が調査契機になります。土壌汚染対策法だと形質変更範囲が3000㎡以上でないと調査契機にならないので、条例の方が該当しやすくなりますね。
さらに、東京都内で土壌汚染調査に関わる条例を設けている区についてもご紹介いたします。
江東区
江東区では、土壌汚染に係る事前協議(江東区マンション等の建設に関する条例)が調査契機になることがあります。下記、条文になります。(江東区サイト参照)
第3 事前協議の対象者
1,000㎡以上3,000㎡未満の敷地におけるマンション等の建設計画を行う事業者を対象とする。
第5 事前協議申告書
事業者は、第6から第8に定める地歴調査、土壌調査、汚染拡散防止計画及び汚染拡散防止措置終了について申告書を2部作成し、環境保全課へ提出して協議を行うものとする。
江東区では、マンション等建設時に条例により土壌調査を命じられるケースがあります。具体的な調査契機としては、1000㎡以上のマンション建設時に土壌調査が命じられ、『地歴調査』から必要という事になります。
荒川区
荒川区HPにて、下記の記述があります。
「荒川区住宅等の建築に係る住環境の整備に関する条例に該当する事業、荒川区市街地整備指導要綱に該当するもののうち一部の事業は、土壌汚染について環境課との協議が必要になります。」
この記述のため、必ずしも調査が必須になるわけではないようですが、
に該当する際は調査契機になりうるようですね。こちらの調査契機については、環境課と協議を行い調査をするかの判断が出るようです。
板橋区
板橋区では、板橋区土壌汚染調査・処理要綱に下記の条文があります。
第2条 板橋区大規模建築物等指導要綱第2条に規定する事業を行う者は、事業に関する土地において、土地の掘削その他の土地の改変を行うときは、要綱対象地における特定有害物質による土壌汚染のおそれの有無を調査し、その結果を土地利用の履歴等調査報告書とともに報告するものとする。(板橋区HP)
さらに、上記の板橋区大規模建築物等指導要綱第2条は、下記の場合に該当いたします。
上記の建設計画に該当する際は、『地歴調査』が必要になります。
東京都の代表的な区の条例についてご紹介いたしましたが、場所により条例の調査契機は様々です。やはり工事に着手する前に予め把握できた方がよいため、今後も各都道府県の条例や、市や区の条例等をご紹介していこうかと思います。不明点等あればお気軽にジオリゾームへご相談ください。宜しくお願いします。
瀬戸
神奈川県内の条例・調査契機について
お元氣様です。ジオリゾームの瀬戸と申します。前回の続きとして今回は神奈川県横浜市の条例についてご紹介させていただきます。
横浜市では生活環境の保全等に関する条例により、行政から土壌汚染調査の指示を受けるケースがございます。横浜市の条例では下記のケースの場合に土壌汚染調査が義務化されます。
1.特定有害物質使用等事業所の廃止時・一部廃止時(条例第64条の2)
こちらは、有害物質使用特定施設にかかる土壌汚染調査契機となります。有害物質使用特定施設とは、土壌汚染対策法で定められている有害物質を使用していた事業場を指しております。例としては、溶剤としてパークレン(テトラクロロエチレン)を使用していたクリーニング店などが該当いたします。
実際に上記の特定施設に該当するのかについては、
①水質汚濁防止法、下水道法、横浜市条例の指定作業場 であり有害物質を使用していた、又はその可能性が考慮される事業場
②上記の届出が無いが有害物質を使用していた事業場
が判断基準となります。
横浜市の場合は届出のみで土壌汚染の調査義務を管理されているわけではない為、①のような事業場の届出が無い場合でも廃業届を提出した際に土壌汚染調査が義務化されるケースはございます。ただ、①のような設置届を出していない限り、廃業届を出すかどうかは事業主様にゆだねられるそうです。少しややこしいですね。
2.ダイオキシン類管理対象事業所の廃止時(条例第70条の2)・一部廃止時(条例第70条の3)
「ダイオキシン類管理対象事業所」を廃止したときは、条例第70条の2に基づき廃止後30日以内に「廃止等届出書」を横浜市に届け出なければなりません。その後、事業所の敷地の土壌のダイオキシン類の汚染状況を調査し、報告する必要があります。
なお、「ダイオキシン類管理対象事業所」の一部を廃止したときは、条例第70条の3に基づき一部廃止予定日の30日前までに届出をする必要があります。また一部廃止の前に当該土地の土壌のダイオキシン類の汚染状況を調査し、報告する必要があります。(横浜市HP参照)
横浜市ではダイオキシン調査の条例もあるそうですね。ダイオキシン調査が条例で義務化されている場所は少なく、多くの土地ではダイオキシン調査義務が発生することはございませんが、横浜市は「ダイオキシン類指定作業場」に該当する際、廃止時に調査義務が発生する為、注意が必要です。
3.2,000平方メートル以上かつ3,000平方メートル未満の土地の形質の変更(条例第65条)
土壌汚染対策法では3000㎡以上の土地の形質変更を行う際に届出が必要になりますが、横浜市では2000㎡以上の土地でも届出が必要になるため注意が必要です。その際の土地の利用方法により土地利用履歴調査~土壌調査までが必要となるケースがございます。また、特定有害物質使用事業場であれば土地の大きさに関係なく届出が必要となります。(同65条より)
以上が、横浜市の条例で定められている土壌調査の契機となります。このように各市区町村で定められている条例によっては、土壌汚染対策法の調査契機でなくても調査が必要になるため予め把握しておけた方がよいですね。今後も各市区町村で定められている条例について順次紹介いたします。
所有している土地が土壌調査契機に該当するのか分からない、土壌調査で困りごとがある等ございましたらいつでもお問い合わせください。
ジオリゾーム 瀬戸
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。