「土壌汚染リスクを回避するポイント」
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砒素(As)とは?
ヒ素とはどんなものなのでしょうか。
ヒ素化合物は一般に猛毒とされており、毒物及び劇物取締法により厳しく取り締まりを受ける化合物です。古くは江戸時代に鉱山から、銅を採掘する際に、ヒ素を含む鉱石が採石されていたそうです。その中でも硫砒鉄鉱(りゅうひてっこう)はヒ素と鉄の代表的な鉱物で、古くは毒砂(どくしゃ)とも呼ばれました。そしてこの硫砒鉄鉱は燃焼するとヒ素が分離して亜ヒ酸という物質ができます。そしてこの亜ヒ酸は猛毒です。
砒素は自然界に存在する
つまりヒ素は人為的に生成される以外に自然界に天然のものとしても存在するのです。ヒ素を含んだ鉱山が河川の上流部にあることで、水が汚染され、その汚染水を生活用水として使用されていた人は中毒症状が出てくることもあったそうです。また、ヒ素が自然界にあるのは、日本に限ったことではありません。バングラデシュなどでは自然界にあるヒ素によって井戸や河川が汚染されてしまい、慢性的なヒ素中毒に陥っている地域があります。
そして、ヒ素は鉱物だけではなく、微量ながら海産物(海藻やエビなど)にも含まれています。妊婦さんに生ものや海鮮物を口にしないように促す理由の一つです。(出典:財団法人 食品分析開発センター SUNATEC)
海藻の中でもひじきは比較的多くヒ素を含んでいると言われていますが、東京都によると正しい調理法を行うことで、ヒ素の摂取量を減らすことができるようです(東京都福祉保健局 食品衛生の窓 参照)。
成人であれば、多くの海鮮物を食べすぎても、痛風になる程度(いや、痛いですけどね)ですが、WHOによるとヒ素は発がん性を有し、胎児であればガンの発症率が格段に上がるといった影響がマウスを使った研究で分かっているそうです。
ヒ素はリンという物質と性質が似ていて、生物が摂取してしまうと、リンと同様に体内に吸収されてしまい、強い毒性があらわれます。経口摂取してしまうと、吐き気や腹痛、下痢、ひどい場合にはショック症状により死に至る場合があります。慢性的に摂取が続いてしまうと、皮膚炎や骨髄障害・腎不全等の障害が現れるといわれています。ただ、人体にもヒ素化合物はごく微量含まれているそうで、必須元素であると考えられています。通常食物に含まれている程度であれば、毒性が現れることはありません。
砒素は、自然由来の土壌汚染として最も多く報告されている
砒素は自然界中にも多く存在する物質で、砒素の大気中への排出量の1/3は天然由来であると見積もられており、なかでも火山活動が主要な発生源となっています。
大気中へ排出された砒素は、主に亜砒酸の形で粒子状物質に吸着して存在しますが、降雨などによって土壌や河川に降下すると考えられます。
砒素による土壌汚染が発生した際、自然由来の汚染の可能性も考えられます。
土壌環境センターが会員各社を対象として実施した自然起源の土壌汚染(自然由来の土壌溶出量基準不適合)の実態に関するアンケート調査(平成 14 年 10 月実施 45 社回答)によると、自然起源の土壌汚染と判断した事例の数が最も多い物質は砒素という結果になりました。(Appendix3_2)
また、多くの砒素化合物は、土壌に吸着しやすい性質があります。このため、地下に浸透して地下水に溶け出した場合、汚染は広範囲には及びません。
特定有害物質が第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)のときの汚染の到達距離の一般値は、概ね 1,000mといわれているのに対し、砒素の汚染の到達距離の一般値は、概ね 250mといわれています。(Appendix1_5、Appendix1_12)
砒素は工業利用も多い物質
それではなぜそんな危険なものを扱うのでしょうか。ヒ素は古くから鉱物として産出していたため、工業利用がしやすいためです。
砒素は、金属光沢のあるもろい灰色の結晶で、二硫化砒素(花火の着色剤、塗料用の顔料)の原料に使われたり、硬さを高めるために合金(銅など)に添加されるなどの用途があります
また、ガリウム、インジウム、アルミニウムとの化合物は、半導体の原料としてすぐれ、半導体レーザーや赤色の発光ダイオードの原料などとして利用されています。
その他の用途として、ヒ素の有用性は薬にもなることです。アメリカでは白血病の薬にヒ素化合物が含まれているそうです。鼠を駆除する殺鼠剤にも使用されており、安易に入手が可能だったことから上記の毒物による殺人や暗殺に使われることがありました。
また先ほどお話したように、日本では鉱物の中にヒ素が含まれています。家を建てる際の敷地を平坦にならすのに、山から削った土砂や建設現場からでた残土で埋め戻すことがありますが、その中に環境基準を超える濃度のヒ素が含まれていることがあります。
- 着色剤、塗料
- 木材の防腐剤、防蟻材、殺虫剤
- 殺鼠剤
- 半導体の材料
- 試薬や原料
- 自然界の土砂 など
砒素の代表的な化合物とその用途としては、以下のようなものがあります。
三酸化砒素(別名「亜砒酸」)
三酸化砒素は、無味無臭の白色の粉末または結晶で、ガラスの製造過程で気泡を消したり脱色するために用いられたり、ガス脱硫剤、木材の防腐剤、砒素や他の砒素化合物の原料、歯科医療で歯の神経を抜く際に使われる亜ヒ酸パスタ(歯髄失活薬)、シロアリ駆除などに使われています。
アルシン
ニンニクに似た臭いをもつ無色透明の気体で、半導体の原料ガスとして使われています。
なお、1998年までに、すべての砒素系農薬は農薬としての登録が失効していますが、作物残留性が認められることから、食品衛生法に基づいて残留農薬基準が定められています。
「土壌汚染リスクを回避するポイント」
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建設現場から基準値を超える砒素が検出されるケース
自然界の鉱物に砒素は含まれており、砒素が土壌に他地域と比べて多く含まれている地域もあります。その土地に眠っていたヒ素が、建設を行う際の土壌汚染調査で見つかってしまうケースですね。
土壌がヒ素で汚染されてしまっている場合、土壌への吸着が強く、雨や地下水などで拡散されることは少ない為、汚染がずっと残ってしまうことになります。地下水を飲用として使っていない場合や、直接土壌に触れることがなければヒ素の毒性が現れることはありませんが、汚染されている土地に住まなければならないとなると考えさせられるところですね。
土壌汚染は、「直接触れる、口にする、そして、溶け出た汚染物質を含んだ地下水を飲む」ことで健康被害に繋がります。特に、口にするような砂場スペース、地下水の飲用については気をつけていただければと思います。
砒素が使われる工業分野や、砒素の環境中の動きについては、こちらのページをご覧ください。
建設現場で見つかることの多い土壌汚染
建設現場から基準値を超える砒素が検出されるケースについて、紹介させていただきましたが、掘削作業を行っていると過去に埋設されていた予期しないものが出てくるという話をよく聞くことがあります。

最も多いのが、コンクリートガラやレンガが埋められているケースです。過去に建屋の基礎や壁として利用されていたモノだと予想されますが、掘削作業の際によく目にします。
コンクリートガラやレンガなどは有害物質を含まないは言えない為、土壌汚染が不安な場合、ボーリング調査で埋められていた範囲の土壌を採取、分析を行い土壌汚染について調べた方が良いかもしれませんね。
他にも地盤改良として、表面的な地盤改良や柱状改良を行う際にセメント系の固化材などを使用されている場合には、六価クロム化合物が土壌汚染として見られるケースがあります。
セメントには、人体に無害とされている三価クロムが含まれています。これが、水や土と混ざり合うことで六価クロムとなることがあります。
一度セメントが固まってしまえば、六価クロムになってしまったものは、セメント内部から流出することはほとんどなくなります。
しかしながら、セメントが混ざり合う土壌がロームや腐植土、腐葉土などの場合には、セメントが固まりにくくなってしまい、六価クロムが土壌に流出してしまうことがあります。
現在では柱状改良を行う際には試料採取を行い分析ラボで混合攪拌を行い、六価クロムの流出がないかを調べることで、土壌汚染を引き起こす前に検査を行っていると聞きます。
地盤調査や地盤改良においても、土壌汚染を引き起こしてしまったり、汚染を拡散してしまうケースがあります。事前に調査を行った上での対策が必要ですね。
ジオリゾームでも地盤調査や地盤改良を行っております。
土壌汚染だけではなく、地盤調査のことでも、知りたいことがありましたら、
是非ジオリゾームにご相談下さい。
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